コロナでアンケート 在宅協東京・北関東支部

2020年 5月 12日

 日本在宅介護協会東京・北関東支部は511日、同支部に所属する在宅介護事業者を対象に実施した、新型コロナウイルスの影響に関する緊急アンケートの結果を公表した。

 サービスを継続するための課題が多い中で、要介護高齢者に対し、さまざまな工夫をして、在宅生活継続のために努力をしている現状が明らかになった。

 アンケートは42630日にウエブで行い、108人の会員事業者から回答を得た。質問に対して「あてはまる」「ややあてはまる」「どちらともいえない」「ややあてはまらない」「あてはまらない」の5段階で回答する形式のほか、現在困っていることや国の施策に反映してほしいと考える内容を自由に記載してもらった。

 現在の運営状況についての質問では、「大きな影響なく運営している」との項目に対し、「あてはまる」「ややあてはまる」との回答が4割以上で多数を占め、事業所としてなるべく在宅勤務を行うようにしたり、定期面談などは居宅に訪問せず電話などで対応したりするなど、感染拡大防止のため、各事業所が運営の工夫をしていることが分かった。

 事業所の利用状況については、例年よりも居宅介護支援の新規利用者が少ない」との項目に対し、「あてはまる」「ややあてはまる」との回答が46%を占めるなど、本来必要である介護サービスが高齢者に届いていない可能性があることが判明。発熱者・疑感染者への訪問サービス提供の調整を行うなど、多くのケアマネジャーが、在宅でのサービス提供が継続できるよう調整していることも示された。

 また、発熱者・疑感染者に対して必要なPCR検査を受検できないことや、発熱者・疑感染者発生時に保健所に連絡がつかないとの回答が多く、保健所の対応について困っている事業者が多いことも浮き彫りになった。

 衛生用品については依然として不足しており、マスクや予防衣・防護服不足などを挙げる回答が7割を超えた。

 これらのアンケート結果から、同支部では在宅介護利用者や介護職員へのPCR検査体制の拡充、在宅介護の現場への衛生物品の支給が必要だとするほか、医療機関の外来や入院が制限される中、在宅介護事業者は感染者や疑感染者などに対する在宅介護サービスの提供を行っていることから、介護報酬上の評価が必要と指摘している。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

11月に大阪で体験展示会 アシストスーツ協会

 アシストスーツ協会(東京都中央区)は11月20、21日、大阪では初めての体験展示会「アシストスーツEXPO in OSAKA 2025」を開催する。協会加盟社のアシストスーツの試着・体験会のほか、現場改善に役立つリスク評価やアシストスーツを含む導入対策に関する講演を行う。  会場はグラングリーン大阪北館6階のJAM BASEカンファレンス 6-1&6-2(大阪府大阪市北区大深町6番38号)。参加費無料。事前申し込みは不要で自由に入退出できる。...

「眠りCONNECT」が在宅でも利用可能に

 パラマウントベッドは介護施設向けに販売してきた見守り支援システム「眠りCONNECT」に、新たに在宅療養環境でも利用できるラインアップを追加した。これにより、Wi-Fi環境が整っていない介護施設や自宅などでも使えるようになった。  眠りCONNECTは、体動センサーの「眠りSCAN」を中核とした、利用者の睡眠状態などを遠隔で確認できるシステム。2023年10月から介護施設を中心に提供を開始し、契約介護施設数は25年3月時点で600施設以上に拡大している。...

移乗機構付き車いす「Lifmy」開発 ジャトコ

 自動車部品メーカーのジヤトコ(静岡県富士市)は移乗機構付き車いす「Lifmy(リフミィ)」を開発した。
 
トイレでの着脱衣や便器への移乗といった、より繊細な介助が求められる場面でも、介護の負担を抑えながら、利用者の自立を支える。
 
 ベッドでの立ち上がりから車いすへの乗り移り、座るまでの動作を科学的に分析し、安全性に配慮した独自設計の機構を搭載した。これにより、利用者が自立した動作が行えるようサポートし、介護する人の身体的負担を軽減する。
 
 安定感に優れた座面機構によって、座ったまま安全・快適に移動できるとともに、転倒リスクの軽減に配慮した設計とした。

「よぶぞー」の累計アプリ会員登録が1万人突破

 IT FORCEが提供する、日本初の介護タクシー予約アプリ「よぶぞー」の累計アプリ会員登録数が1万人を突破した。  介護タクシーは日時や迎車場所だけでなく、身体の状態に応じた器具、介助の有無などの確認が必要なため予約が複雑で、従来は電話予約が主流だった。さらに、同社の調べによると、配車までの平均通話時間は7〜15分、電話回数が2.5回と、予約が取りにくいことが課題となっていた。...

約7割の病院が赤字に 6病院団体による調査

 6病院団体(日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会・日本慢性期医療協会・全国自治体病院協議会)は、2024年度診療報酬改定後の病院の経営状況について、各会員を対象に、緊急調査を実施した。  1816病院から得た回答の結果、医業利益(営業利益)が赤字病院の割合は69.0%、経常利益の赤字病院の割合は61.2%となったことが分かった。  同調査では、その要因として①人件費・物価の高騰②医療費価格③利益悪化による赤字の拡大を挙げている。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(10月27-11月2日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS