ダイハツ工業は11月4日から新たに神戸市と茨城県東海村の2地域で、福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」の実証実験を開始した。28日まで実施する。
同サービスは、複数のデイサービスの送迎業務を外部に委託し、共同運行することで業務効率化を図り、介護人材不足の解消と高齢者の移動手段の確保を支援する仕組み。
2022年4月から全国の地方自治体向けに提供を開始し、現在は香川県三豊市、滋賀県野洲市で正式運行されている。
神戸市の実証実験は、国土交通省が推進する「交通空白」解消パイロット・プロジェクト事業に採択された。神戸国際医療交流財団が運営主体となり、地域の交通事業者と連携して運行する。
ダイハツは運行管理システムの提供や運営マニュアル作成、関係事業者との運営に向けた調整など、運営体制の構築を支援する。
市内の3法人3施設が参加し、2台の車両で朝夕の送迎を行い、延べ約300人の送迎を予定している。日中に遊休となる車両を活用し、高齢者の外出支援にも取り組む。
東海村では今年5月から、ダイハツと共同送迎サービスの導入・運営に向けた検討を進めてきた。デイサービスの人材確保・定着を目的とした共同送迎サービスの運行を通じ、将来的には地域高齢者の移動支援サービスの拡充を目指す。
東海村が運営主体となり、地域の交通事業者で組織する団体と連携して運行を行い、ダイハツは運営体制の構築や運行支援など、実証実験全体の推進を支援する。
村内の6法人6施設が参加し、4台の車両で朝夕の送迎を行う。曜日により、一部昼間も運行する。延べ約850人の送迎を予定している。
両地域の実証実験により、各地域課題に即した共同送迎サービスの有効性を検証し、運営体制や事業成立性の評価を行うことで、今後のサービス正式運行へ向けた検討を進めていく。