与論島のパナウル診療所を承継開業 悠翔会

2022年 7月 8日

 首都圏で最大規模の在宅医療を提供する医療法人社団悠翔会(東京都港区)は7月1日、鹿児島県・与論島のパナウル診療所(前院長・古川誠二氏)を承継開業した。

 「悠翔会在宅クリニック柏」の院長を務めていた小林真介医師が新院長に就任する。

古川医師ら

(左から)悠翔会の佐々木淳理事長、古川医師、小林院長

 同診療所は古川医師が1991年に開設し、30年間、医師1人であらゆるニーズに対応。離島医療を志す若い医師たちを年に40~50人受け入れ、離島医療研修のメッカでもあった。

 さらに、パナウル診療所は外来診療で島民の病気やけがに対応していただけでなく、島で在宅医療を行う唯一の在宅療養支援診療所でもあった。

 しかし、2021年に古川医師は自身の年齢や故郷の徳島に帰ることを理由に、診療所を閉院した。

 古川医師は閉院後も週に1回、与論徳洲会病院の外来で診療をしていたが、島民と与論町から診療所再開を求める声が寄せられていたため、古川医師が悠翔会に診療所の再開を要望した。

 その結果、悠翔会が診療所を引き継ぐことになり、鹿児島大学出身の小林医師が新院長に就任することになった。

 また、閉院後に診療所の建物を所有していた社会福祉法人ハレルヤ福祉会と与論町の協力により、パナウル診療所を在宅療養支援診療所としても再開することができた。

 なお、島には7月1日の診療所開設に合わせて、「つむぎ訪問看護ステーション」と、与論徳洲会病院の運営する「訪問看護ステーションゆんぬ」の2つも立ち上がった。

 在宅医療が再開したことで、患者の生活を24時間支える体制が整い、最期まで住み慣れた自宅で安心して暮らし続けられる地域になるための基盤が整備されることになる。

 パナウル診療所には小林院長のほか、2人の看護師、3人の医療事務が勤務する。このうち4人が地元での採用で、うち2人はかつてパナウル診療所で仕事をしていた看護師と医療事務のスタッフだ。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

改良版の介護用洗身用具を発表 シリウス🆕

 シリウス(東京都台東区)は改良版となる「介護用洗身用具 switle BODY(スイトル ボディ) 」の改良版を発表した。  介護施設や医療機関などから寄せられた意見・要望をもとに、肌に触れるヘッド部分や洗身時に使用する湯の体感温度などを向上させた。  ヘッド部分は装着するスポンジを約5mm厚くすることで、より柔らかい感触を得られるとともに、吸水力を強化した。  また、スポンジの厚みを増すことでヘッド側面のプラスチック部分が肌にあたる恐れを回避し、皮膚が弱い要介護者へのけがの防止にもつなげている。...

園児の昼寝見守るシステムを全社で導入 ソラスト🆕

 医療や介護、保育サービスなどを提供するソラスト(東京都港区)のグループ会社「はぐはぐキッズ」と「なないろ」は、運営する保育園で昼寝中の園児を見守るシステムを導入する。同社では2022年度から導入を開始しており、今後すべてのソラストグループで導入する。  このシステムはユニファが開発・提供しているICT サービス「ルクミー午睡チェック」。園児の衣類にボタン式センサーを取り付け、うつ伏せ寝や体動静止状態が続いた場合は専用アプリがアラートで保育士に通知する。  これまで保育士が5...

介護タクシー予約アプリの会員数が5000人突破🆕

 IT FORCE(東京都中央区)は介護タクシー予約アプリ「よぶぞー」の累計アプリ会員数が 5000 人を突破したと発表した。  介護タクシーは利用者が必要とする介護の内容によって事業者側の対応可否が変わってくるため予約が複雑で、同社の調べによると、配車までの平均通話時間 7〜15 分、電話回数 2.5 回と予約が取りにくいのが問題となっていたという。...

高齢者の健康増進事業で都と協定締結 FrontAct

 FrontAct(東京都中央区)は東京都と東京都健康長寿医療センターが推進している「高齢者の健康づくりに資するスマートウォッチ等デジタル機器活用事業」の実用化に向けた準備を行うための三者協定を締結した。  同事業は東京都福祉局が2022年度から実施しており、同センターが持つ知見や臨床・研究フィールドを活用し、高齢者のバイタルや身体活動量を計測できるスマートウォッチなど使いながら、在宅中も健康状態の把握やフレイルリスクを検知できるアプリの開発などにつなげるとともに、高齢者の行動変容を促し、健康増進を図ることを目的としている。...

RPA活用で済生会2病院が年2000時間の業務を自動化

 ヒューマンリソシア(東京都新宿区)は、同社がRPA(ロボットによる業務自動化)導入・利活用を支援する東京都済生会中央病院(同港区)と済生会向島病院(同墨田区)で、合計で年間約2000時間の業務自動化を実現したと発表した。  同社は総合人材サービス会社で、医療機関向けの人材派遣・業務受託・DXソリューション活用支援サービスを展開している。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(11月11-17日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS