社会福祉連携推進法人の貸付で論点提示 厚労省

2021年 2月 10日

 厚生労働省の「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」は2月9日、リモートで会合を開催し=写真、貸付業務と経営支援業務、物資等供給業務に関する論点整理を行った。

 貸付業務に関しては、まず金融機関や福祉医療機構(WAM)などからの資金調達の補完的位置付けであり、一時的な資金需要に対応するものであることから、制度施行から当面の間、慎重な検討を行い、抑制的に行われるべきとの視点が厚労省から示された。

社会福祉連携推進法人

 その上で、貸し付けを行う前年度の活動増減差額が黒字であること、直近3年度の活動増減差額の平均額を上限とすること、貸付金利は高利でない適正な利率(無利子含む)、あらかじめ所轄庁に相談すること、などが貸付原資を提供する法人のルールとして挙げられた。

 一方、貸し付けを受ける法人は貸付金使用後に連携推進法人に速やかに使用状況を報告すること、複数回貸し付けを受ける場合、前回の貸付金が完済されている必要があること、使途に関しては社会福祉事業の安定的な運営に必要な改修や職員の人件費などとするとした。

 これらの論点のうち、「抑制的に行われるべき」という点について構成員から質問があり、貸し付けを行う法人が貸せる額は、自法人の安定運営を考慮して数百万円程度に抑えることなどから「まずは小さく始めていく」ということを考えている旨の説明が厚労省からなされた。

 また、「貸し付けを行う前年度が黒字」「複数回貸し付けを受ける場合、前回の貸付金が完済されている」というのは、「少し厳しすぎるのではないか」との指摘が構成員からあった。これらに対しては、「まず施行に当たっては厳しく、施行後にニーズや状況があれば必要に応じて見直していく」との方針が厚労省から示された。

経営支援業務と物資などの供給業務
 経営支援業務については、法人に対する経営ノウハウ、賃金テーブルの作成など人事・給与システムに関するコンサルティング、財務状況の分析・助言、会計に関する研修の実施などの支援、特定事務に関する事務処理の代行などが厚労省から例示された。

 ただ、事務処理の代行に関しては、税理士法や社会保険労務士法などに違反しない範囲で行う必要があり、それらに抵触しない報酬などの請求事務のデータの作成代行や、会計帳簿の記帳代行などは可能であるとした。

 物資などの供給業務としては、紙おむつやマスク、消毒液などの衛生用品、介護ベッドや車いす、リフトなどの介護機器、介護記録の電子化などICTを活用したシステムの一括調達、法人の施設で提供される給食の提供などがある。

 このうち、給食に必要な設備については、特定の法人の施設の厨房を活用するほか、連携推進法人が必要な設備を持つことも認めることが提案された。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

高齢者虐待が過去最多を更新 介護保険部会

 第134回社会保障審議会介護保険部会が3月9日に開かれ、第10期介護保険事業計画に向けた「基本指針」、高齢者虐待に関する調査結果などを議論した。冒頭では、新たな部会長に早稲田大学政治経済学術院の野口晴子教授が選出された。
 
 市区町村(保険者)は介護保険事業計画、都道府県は事業支援計画を策定する。第10期は2027~29年度で、国は26年12月ごろをめどに「基本指針」を告示する。
 
 部会では、第10期基本方針の検討にあたって考慮すべき項目が開示された。25年12月に部会が決定した「介護保険制度の見直しに関する意見」に盛り込まれた、中山間・人口減少地域における柔軟な対応、有料老人ホーム事業運営の透明性確保、介護人材確保と職場環境改善に向けた生産性向上、などが盛り込まれている。

iPS細胞使った再生医療2製品の製造販売を承認

 上野賢一郎厚生労働相は6日の閣議後の記者会見で、iPS細胞を使った2つの再生医療製品の製造販売を条件・期限付きで承認したことを発表した。iPS細胞製品が実用化されるのは世界で初めて。実際に治療に使われるのは夏以降になる見込みだ。  承認されたのは、大阪大学発ベンチャーのクオリプスによる重症心不全に使用する心筋細胞シート「リハート」と、住友ファーマのパーキンソン病治療用の神経細胞「アムシェプリ」。どちらも京都大学iPS細胞研究財団のiPS細胞を使用している。...

2割負担は先送り 介護保険部会が「意見」

 第133回社会保障審議会介護保険部会が12月25日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見」が確定した。
 
 議論が続いた「一定以上所得」の判断基準については、第10期介護保険事業計画(2027~29年度)の開始前までに結論を得ることとなった。
 
 これは利用者負担が2割となる基準で、現行制度では年金収入+その他の合計所得が年280万円以上340万円未満である(単身世帯の場合)。340万円以上は「現役並み所得」とされ、3割負担だ。
 
 介護保険制度の持続可能性確保のためにその基準を拡大し、2割・3割負担となる層を広げるかどうか。
 
 具体的には、「一定以上所得(2割負担)」の下限を260万円~230万円の範囲で引き下げる案が示され、長く議論されてきたが、決着には至らなかった。「現役並み所得」の判断基準は「引き続き検討を行う」と、期限も示されなかった。
 
 そのほか、軽度者への生活援助サービスを給付から切り離して総合事業に移行する案も結論は出ず、「引き続き包括的に検討する」となった。

制度見直しの議論続く 介護保険部会

 第132回社会保障審議会介護保険部会が12月22日に開かれ、前回に続き「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 今回提示された案では、「一定以上所得の判断基準」について、これまで同様、年金収入+その他の合計所得を「年260万円~230万円の範囲」とした。まだ具体的な方向は見えない。委員の中には「2割負担の対象を拡大すべきでない」との意見も根強い。
 
 「拡大すべきでない」論者の意見は、
 
 ・医療ではOTC類似薬への新たな負担など、高齢者の負担増が確実。介護でも負担増は避けるべき
 
 ・負担増から利用控えが起こると、子世代にしわ寄せがくる。介護離職が増えるのでは
 
 ・現役世代の負担軽減は重要だが、サービスを使えなくなった親を子が援助すれば結局子の負担は増える
 
 などがある。持続可能性を高めるには被保険者の範囲や公費負担も見直すべき、との意見もあった。

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(4月13-19日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS