中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は12月18日に総会を開催し=写真、新型コロナへの感染予防策を講じることを要件に、初診・再診(医科・歯科)時に1回当たり5点を加算できるなどの特例的な対応を承認した。
また、毎年薬価改定の初年度となる2021年度の薬価改定の対象品目と改定方式についても承認した。
特例対応では、初診・再診以外に、入院の際に入院料によらず1日当たり10点、調剤で1回当たり4点、訪問看護では1回当たり50円、また、新型コロナの陽性患者に歯科治療を行った場合は298点加算できることにした。
算定に当たっては、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」などを参考に、診療の際に状況に応じて個人防護具を着用した上で患者に対応することや、 感染予防策に関する職員研修を行うなどの感染予防策を講じることを要件とした。
特例対応は来年4月から9月までとし、10月以降については延長しないことを基本としつつ、感染状況や地域医療の実態などを踏まえ、単純延長を含め、必要に応じて柔軟に対応することとした。
総会では、支払側委員から議論のプロセスについて厳しい意見が出た。というのは、この特例対応は政府がすでに決定したものなので、追認するしかないからだ。このため、支払側委員だけでなく、公益委員からも「中医協の議論を形骸化させかねない」との懸念が示された。
ただ、小塩隆士会長が委員に特例対応への承認を求めた際、エビデンスに基づいて公開の場で双方が議論を尽くすという中医協の本来のあり方について、再認識することを厚労省に求めたことで、支払側委員も納得して承認に至った。
一方、薬価改定の対象品目については、平均乖離率(8.0%)の 0.5~0.75 倍の中間である 0.625 倍(乖離率 5.0%)を超える価格乖離の大きな品目とした。改定方式については通常の算出式に新型コロナの影響と考えられる0.8%分を加えて算定する値とした。