新型コロナ抗原検査の保険適用承認 中医協

2020年 5月 13日

 中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)は513日、第458回総会を開催し、同日特例として薬事承認された新型コロナウイルス感染症の抗原検査キットの保険適用を承認した。

 感染が疑われる患者に対し、医師の判断で検査を実施した場合、「マイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)」の4回分600点を準用する。1回限りの算定だが、同検査で陰性だったものの、新型コロナウイルス感染症以外の診断がつかない場合は、もう1回算定できる。

 PCR検査では結果が出るまでに46時間かかるが、抗原検査キットなら30分程度で判定できる。ただ、陽性一致率が89割であることから、抗原検査キットで検査を行い、陰性の場合はPCR検査を受けることになる。それでも、陽性だった場合はその時点で検査を行う必要がなくなるので、PCR検査体制の負担軽減につながる。

 承認された抗原検査キットは富士レビオが開発した。鼻腔の奥の粘膜表皮を綿棒で採取し、試薬の入った反応カセットで判定する。同社は承認を受け、「エスプラインSARSCoV2」の製品名で同日販売を開始した。

 週20万件の生産体制を構築しているが、国内に行きわたるまでには時間がかかるため、患者数の多い都道府県の帰国者・接触者外来と全国の特定機能病院から供給を開始する。その後、対象地域とPCR検査を実施できる医療機関を中心に、供給対象を拡大していく。

 総会では、医療現場でPCR検査との使い分けで混乱が起きる可能性があることから、分かりやすい指針を策定することや、クラスター発生が懸念される一般病院や介護施設などでも早期に使えるようになることを求める意見などが出された。厚生科学審議会感染症部会で同日、検査キットの活用に関するガイドラインが取りまとめられている。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

2040年度に介護職員数が約57万人不足 厚労省推計

 厚生労働省の推計によると、65歳以上の高齢者数がピークを迎える2040年度に必要な職員数は約272万人で、現状のままでは約57万人不足することが分かった。26年度に必要な職員数は約240万人で同約25万人不足する。
 
22年度の介護職員数は約215万人。40年度に必要な職員数を確保するには…

この記事は有料会員のみ閲覧できます。

訪問看護ステーション数が過去最多に 全訪看

 全国訪問看護事業協会がまとめた4月1日現在の全国の訪問看護ステーションの稼働数は1万7329カ所で、前年に比べ1632カ所(12.3%)増加して過去最高となった。
 
 2023年度中に新規に開設された事業所数は2437カ所で、同469カ所(23.8%)増えた。訪問看護ステーション数は10年度以降、右肩上がりで増加しており…

新たな介護予防サービスを3区で開始 横浜市

 横浜市はフレイルを予防・改善し、多くの高齢者が自立した生活を続けられることを目的に6月から新たな介護予防サービスを南・栄・泉の3区で開始した。
 
 健診データ・診療データ・要介護認定情報またはフレイルチェックシートを活用し、フレイルなどの高齢者を把握する。身体機能や栄養状態、口腔機能の低下が懸念される人に介護予防サービス利用の案内を送付。個人の状態に合わせて…

子どものいる世帯2割弱 1人暮らしが過去最多に

 厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査」によると、昨年6月1日時点の全国の世帯総数は5445万 2000世帯で、このうち1人暮らしの世帯が1849万5000世帯で全世帯の34.0%を占め、調査を開始した1986年以来、過去最多となったことが分かった。  18歳未満の子どもがいる世帯は983万5千世帯で、全世帯の 18.1%。世帯数・割合とも過去最少だった。  高齢者世帯は 1656 万世帯(全世帯の...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(7月15-21日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS