(左から)順大南野徹教授、ブルボン室橋直人 所長、古内亮研究員
順天堂大学とブルボンは、共同研究講座「先進老化制御学講座」(南野徹・責任教授)を同大大学院医学研究科に今月開設した。
加齢関連疾患に対する新たな抗老化治療や予防方法を創出することが目的。
同研究科・循環器内科学の南野徹教授の研究グループは、加齢や代謝ストレスで生じる細胞レベルの老化が心血管系疾患や動脈硬化、糖尿病などの加齢性疾患の発症や進行の一因となることを解明してきた。
このため、細胞レベルで老化を治療することが加齢性疾患を治療する上で重要との考えのもと、老化細胞除去(Senolysis)や褐色脂肪細胞に着目し、新たな抗老化治療法の研究を進めている。
一方、ブルボンは「食と健康」に関する研究に取り組み、産学連携を推進。これまでに南野教授グループとの共同研究から、Senolysisの素材候補の同定や、褐色脂肪細胞の活性化を実現する食品由来の素材の研究で、一定の成果を得ている。
両者は共同研究から得られた知見をさらに発展させるため、共同研究講座を設立し、新規の抗老化治療法の開発につなげるとともに、食品を利用したアンチエイジング素材の開発を目指した共同研究を行うことにした。
共同研究講座の設置期間は今月から2024年3月まで。南野教授のほか、吉田陽子・同大先進老化制御学講座特任准教授、清水逸平・同大大学院医学研究科循環器内科学准教授、古内亮・ブルボン先端研究所研究員が参加している。