総務省の推計によると、敬老の日の9月15日現在の日本の65歳以上の高齢者人口は、前年比30万人増の3617万人で過去最多となった。総人口に占める割合は28.7%で前年に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となっている。
男女別にみると、男性は1573万人(男性人口の25.7%)、女性は2044万人(女性人口の31.6%)で、女性が男性より471万人多い。女性100人に対する男性の数では、15歳未満で105.0、15~64歳では102.7と男性の方が多いのに対し、65歳以上では77.0と女性の方が多かった。
年齢階級別では、1947~49年生まれの「団塊の世代」を含む70歳以上人口は、2791万人(総人口の22.2%)で前年比78万人増(0.7ポイント上昇)、75歳以上は1871万人(同14.9%)で24万人増(0.3ポイント上昇)、80歳以上は1160万人(同9.2%)で36万人増(0.3ポイント上昇)となった。
一方、2019年の高齢者の就業者数は、04年以降、16年連続で増加し、892万人で過去最多となった。15歳以上の就業者数に占める高齢就業者の割合も、13.3%と過去最高となっている。高齢就業者数の対前年増減では、団塊の世代の高齢化などを背景に、13~16年は主に65~69歳で増加、17年以降は団塊の世代が70歳になり始めたことなどにより、主に70歳以上で増加している。
19年の高齢者の就業率を年齢階級別にみると、19年は65~69歳で48.4%、70歳以上で17.2%。65~69歳の就業率は、14年に男性が50%、女性は30%を超えた後、一貫して上昇している。
主な産業別では、卸売業・小売業で働く高齢者が126万人で最も多く、次いで農業・林業が108万人、サービス業(他に分類されないもの)が103万人、製造業が94万人などとなった。
なお、各産業の就業者に占める高齢就業者の割合は、農業・林業が52.2%と最も高く、次いで不動産業・物品賃貸業が26.4%、サービス業(他に分類されないもの)が22.6%、生活関連サービス業・娯楽業が18.2%など。
高齢就業者を従業上の地位別にみると、役員を除く雇用者が503万人で高齢就業者の56.9%、自営業主・家族従業者が273万人で同30.9%、会社などの役員が108万人で同12.2%。さらに、高齢就業者のうち役員を除く雇用者を雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員が77.3%を占めており、そのうちパート・アルバイトの割合が52.7%と最も高くなっている。
主要国の高齢者の就業率を10年前と比較すると、日本(5.3ポイント上昇)、カナダ(4.3ポイント上昇)を始め、各国とも上昇している。19年の日本の高齢者の就業率は24.9%で、米国(19.6%)、カナダ(14.3%)、英国(10.7%)などに比べ、主要国の中でも高い水準にある。ちなみに主要国の中で、日本より高齢者の就業率が高いのは韓国で32.9%である。
高齢者の就業を7月まで月別にみると、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、高齢就業者数は前年同月に比べ4月に減少したものの、5月以降増加。また、就業率についても、6月以降上昇しており、就業者数と同様に4月を底に改善傾向が見られている。