政府の新型コロナ感染症対策分科会は8月21日、第6回会合を開催し、ワクチンが開発された場合、接種は医療従事者や妊婦、基礎疾患がある人、子ども、高齢者などを優先させるとの考え方を示した。
具体的には、インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者、妊婦と基礎疾患がある人、1歳から小学校低学年の子ども、1歳未満の子どもの保護者と、優先接種対象者のうち身体上の理由により予防接種が受けられない人の保護者、小学校高学年・中学生・高校生と65歳以上の高齢者が対象となる。
厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの早期実用化に向け、ワクチン開発の基礎研究から薬事承認、生産に至る全過程を加速化するとともに、海外ワクチンの確保、接種体制の整備に取り組み、早期のワクチンの実用化に向け取り組んでいる。
一方で、予防接種には副反応の可能性があり、会合では「リスク・ベネフィットを踏まえた接種の判断が必要」との見解が示され、有効性ととともに、得られた安全性情報などを踏まえ、国民が正しい理解のもと、適切に接種されるべきとした。
また、2009年の新型インフルエンザワクチンの際に、健康被害が生じた場合の損失を補償する契約を企業と締結したことを踏まえ、同様の対応をしていく必要性や、健康被害などが生じた場合の救済措置を含め、必要な体制を確保していくことも指摘した。
接種は国が主体となって行い、都道府県はワクチンの円滑な流通の確保、市町村は住民に対する周知などを担当する。ワクチンの生産量に限りがあるため、優先順位を設定。医療従事者と妊婦が約100万人、基礎疾患を持つ人が約900万人、1歳から小学3年生が約1000万人、高齢者約2100万人などと見込んでおり、全体で約5400万人になる。