老人福祉施設協議会(老施協)が行った2022年度の「全国老施協収支状況等調査」(速報値)によると、物価高騰などによって特養の6割以上が赤字だったことが分かった。
回答を得た特養1600施設のうち、赤字施設の割合(補助金除く)は、21年度が43.0%であったのに対し、22年度は62.0%と大幅に増加した。
一般企業の利益率に当たる収支差率(同)は、これまで減少傾向であったが、マイナス2.8%と初めてマイナスとなり、前年度の0.8%から大きく落ち込んだ。
老施協によると、介護保険事業主は収益のほとんどが公定価格である介護報酬であり、経費増を価格に転嫁できないため、このままでは事業継続が困難となり、事業撤退による地域の介護基盤が崩壊してしまうことを懸念されるという。
このため、老施協では2024年度の介護報酬改定で、物価・賃金の上昇に見合う大幅な介護報酬の増額の実現を目指し、全国の都道府県市老施協と協調し、介護現場の危機的な状況とプラス改定の必要性について理解を求める要請活動を行うことにした。
10月3日には老施協が都内で開催した「老施協トップセミナー」で会員施設に緊急告知として呼びかけている。
特別養護老人ホームの2022年度決算値