日本財団が実施した「第2回日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト」で3事業への助成が決定した。
同プロジェクトはデザインやクリエイティブの力で、福祉施設を地域に開かれた魅力ある場所とするもの。
応募した292事業の中から北九州市の「希望のまちプロジェクト」、鹿児島県屋久島町の「屋久島 おじゃんせウェルネスセンター、大分市の「制度のはざまにいる子どものケアとご近所さんの顔がみえる拠点づくり えんえん」が選ばれた。
希望のまちプロジェクトは特定非営利活動法人抱撲が実施主体、手塚建築研究所が設計したもので、暴力団事務所があり、怖いと言われていた場所を「希望のまち」として再創造するもの。
制度や属性を超えて人が出会う、全世代のごちゃまぜの空間を提供し、家族の本質である何気ない日常の共有、赤の他人が看取や葬儀まで担う場の提供を通じ、家族機能の社会化を図る点が評価された。
屋久島 おじゃんせウェルネスセンターは医療法人観音会が実施、屋久島ウェルネスセンターPJ-設計共同体が設計した。
福祉・介護・医療の資源が乏しい屋久島南部で、高齢者や障害者が健康で豊かな暮らしを続けられるための健康拠点を構築する。
高齢者の健康寿命延伸のためのリハビリテーション施設、障害者の個々の才能を活かしたカフェや食堂、物販からなる「よかたん交流館」、屋久島南部唯一となる歯科診療所、島内外・世代間交流を促進するコーディネーションセンターを一体で提供する。
制度のはざまにいる子どものケアとご近所さんの顔がみえる拠点づくり えんえんは、社会福祉法人大分県福祉会が実施主体となり、矢橋徹建築設計事務所が設計した。
保育園と公園との間に、一時預かり保育や病後児・医療的ケアの必要な子どもの保育が可能な施設を新設する。
保育室の他に、子育て広場、カフェ、ミニライブラリー、多目的スペース等を備え、地域に開かれた複合施設とすることで、子どもたちだけでなく地域における人々の繋がりを創出し、社会的孤立を減らすという計画だ。