宮崎新工場の完成予想図
日機装は血液透析治療に欠かせない消耗品である血液回路のサプライチェーンの強化を図るため、子会社である宮崎日機装の敷地内に透析用血液回路の新工場「宮崎日機装メディカル工場」を建設する。
同社のベトナム工場が当局の新型コロナ感染防止に向けた規制強化により稼働制限を余儀なくされたことで、生産・供給体制を見直した結果、国内に新工場を建設することにした。
2024年7月に操業予定の新工場では、国内で年間に必要な血液回路の約30%となる1600万本を生産し、製造プロセスの自動化と効率化を行うことで、国内市場へ高品質な製品を安定供給できる体制を構築する。
また、現行の複雑化した商品構成も見直し、型式の集約を行うことで、急激な需給変動への対応力も強化する。
同社は透析用血液回路をベトナムとタイの2拠点で生産しており、世界中の患者へ供給している。血液回路は一般的に週3回の頻度で実施される治療のたびに交換が必要となる重要な消耗品で、国内では年間約5200万本が必要とされ、その約半数を同社が供給してきた。
ベトナム・ホーチミンの血液回路工場は、当局の感染拡大防止に向けた規制強化によって、今年6月末から稼働の制限を余儀なくされた。同社では製品供給の継続を第一に、協力会社の支援による代替品の提供やタイ工場の増産対応などの対応を継続してきた。
現在はベトナム工場の稼働率も徐々に回復しているが、血液回路の供給者としての責務を果たすためには、生産・供給体制の整備・再構築が必要であることから、宮崎に新工場を建設することを決定した。