■高齢化が急速に進む
8月終わりから9月頭まで、タイを訪問した。JICA(独立行政法人国際協力機構)の「草の根技術協力事業」のひとつ、「自治体ネットワークによるコミュニティベース統合型高齢者ケアプロジェクト」に参加し、現地で地域包括ケアや認知症について講義した。
訪問したのは首都バンコクではなく、パトムタニ県ブンイトー市、プラチュアップキリカン県ホワヒン市、ラーチャブリ県ポータラム郡の3カ所である。
ポータラムはリゾート地として知られる。3地域で診療所や介護士養成学校、ヘルスセンター、一般家庭を訪問する機会をいただいた。以下は、私が直接見聞きした、タイの医療・介護事情である。
まず、タイでは60歳以上を高齢者と定義する。日本で高齢者と定義されるのは65歳以上だが、日本では今や65歳を高齢者とは呼べないだろう。
本質的には、高齢者と定義されるべきは85歳以上かもしれない。高齢者をどう定義するかは…
新薬創出等加算めぐり議論 薬価専門部会
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)薬価専門部会は10月18日、2024年度薬価改定に向け、新薬創出等加算の企業要件や乖離率などについて議論した。 企業要件では加算係数が最も高い区分Ⅰにベンチャー企業とスタートアップ企業が入っていないことをどう考えるかが論点となった。...
第10回 保険者として介護サービス事業者とどう向き合うか
介護保険制度では、民間事業者にも“市場”が開放され、介護報酬が支払われる。参入する事業者とどうつきあうかも、保険者として重要なテーマである。
制度スタート前の1999年(平成11年)、武蔵野市は事業者に対し、サービスの供給量を調査しました。
サービスをどれくらい供給できるかは、介護費用の推計や保険料の決定に影響する重要な要素です。参入を予定している事業者に提供可能なサービス量を調査したり、ヒアリングを行ったりしました。
ところが介護報酬がまだ明確に決まっていない時期で、事業者側にも人員確保の途上といった事情があり、具体的なサービス提供量の推計は困難を極めました。
■“サファリパーク型”を選択
そもそも保険者としての市町村が介護保険市場をどのようにとらえ、民間の介護事業者とどう付き合い、連携していけばいいのか。
当時私たちは、保険者と介護サービス事業者との向き合い方を3つのパターンで検討しました。動物園型・ジャングル型・サファリパーク型の3パターンです。
いささか不適切なたとえではありますが、事業者を動物に見立てて、保険者が強く介入し事業者を管理するのが第1の動物園型。従来の措置制度も…
介護報酬改定時期に慎重な意見 給付費分科会
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護給付費分科会は10月11日、厚労省が提示した介護報酬改定の実施時期を6月とする案について議論し、複数の委員が慎重な対応を求める意見を述べた。 2024年度診療報酬改定については、医療機関・薬局やベンダーなどの集中的な業務負担を平準化するため、6月1日から施行する案が中央社会保険医療協議会で了承されている。...
訪看STのオン資義務化へ支援徹底を 中医協
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は10月11日、2024年秋の保険証廃止に伴う訪問看護ステーションのオンライン資格確認義務化について議論した。 委員からは事業所への技術的・財政的支援や利用者も含めた丁寧な説明あるいは制度の周知徹底を求める意見があったものの、異論は出なかった。...
マッスルスーツExo-Powerにグッドデザイン賞
イノフィスが5月に発売した「マッスルスーツExo-Power(エクソパワー)」がグッドデザイン賞を受賞した。 マッスルスーツは主に中腰姿勢を維持する作業や重量物の持ち上げなどの作業時に、腰にかかる負担を補助・軽減するアシストスーツ。...
ドラッグロス解消へ研究会を発足 三菱総研
三菱総合研究所は国内の治験形態の転換(CTX)により国際共同治験への参加を促進し、ドラッグラグ・ドラッグロスの解消を目指す日本CTX研究会を設立した。 CTXとは治験を効率的・効果的に実施するため、治験の組み立て方や運用、通例などの形態を転換すること。...
看護記録DXツールの提供開始 Medurance
東京大学発の医療AIスタートアップ Meduranceは看護・介護施設向けの記録DXツール「RABBIT」の精度チェックを終え提供を開始した。 RABBITは看護師向けの音声記録サービス。従来の音声認識では医療系の専門用語の聞き取りが悪く、記録に使うには難があった。...
障害者が遠隔でコーヒー提供するカフェ実現へ
モーションリブ(川崎市)とベルシステム24(東京都港区)は、障害者が自宅にいながら遠隔操作でコーヒー提供を行う「ロボット遠隔操作カフェ」を実現し、障害者の雇用機会拡大を目指す。 東京都の「先端サービス実装分科会プロジェクト」として実施。2024年夏のフィールドテストを経て、25年に本格実施を予定している。...
「婦人科オンライン」開始 ファストドクター
ファストドクターは女性特有の健康課題に対応するオンライン診療サービス「婦人科オンライン」の提供を開始した。 健康保険が適用され、夜間・休日にオンラインで相談・診療・処方してもらえる。健康課題を抱えつつも医療機関にかかっていない女性が対象。女性や企業の人事担当者らとのヒアリングを経て設計した。...
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