訪看STのオン資義務化へ支援徹底を 中医協

2023年 10月 11日

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は10月11日、2024年秋の保険証廃止に伴う訪問看護ステーションのオンライン資格確認義務化について議論した。

 委員からは事業所への技術的・財政的支援や利用者も含めた丁寧な説明あるいは制度の周知徹底を求める意見があったものの、異論は出なかった。

 24年6月から訪看ステーションのオンライン請求と資格確認を開始する。それに伴い、導入に関する財政支援を実施する。

 秋にはオンライン請求・資格確認ともに義務化する。システムやネットワーク環境、改築工事など、やむを得ない事情で導入が遅れる場合に対応するため、期限付きの経過措置を設ける。

 例えば、義務化の2カ月前の月末までにシステム提供業者と契約を締結したものの、導入に必要なシステム整備が間に合わない場合は、整備が完了する日まで猶予される。

 オンライン資格確認については、2回目以降の訪問では、再照会による確認を可能とする。このため、療養担当規則に法令上の資格確認方法として位置付ける。

 再照会とは、医療機関がマイナンバーカードの本人確認により取得した資格情報を使い、被保険者であることの確認を受ける方法のこと。

 また、システム導入に当たっては、マイナンバーカードの読み取り・資格確認のためのモバイル端末、ネットワーク環境の整備、レセプトコンピューターや電子カルテシステムなど既存のシステム改修を対象に、42万9000円を上限として実費補助を行う。

 ただ、診療側委員から、医療機関・薬局でオンライン資格システム導入した際、補助額を上回る費用負担が発生したことから、小規模事業所が多い訪看ステーションの中には対応できない施設が出てくる恐れがあるとして、全面的な支援を行う必要性を指摘する意見が出ていた。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

障害者雇用数が110万人に 23年度実態調査

 厚生労働省が昨年6月に実施した「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害者数は110 万7000 人で、前回調査に比べて25万6000人増加(2018年度は85万1000 人)し、全体的に障害者雇用は着実に進展していることが分かった。  内訳は身体障害者が52万6,000 人(同42万3000 人)、 知的障害者が27万5000人 (同18万9000人)、精神障害者が21万5000人(同20万人)、発達障害者が9万1000人(同3万9000 人)で、いずれも前回調査を上回った。...

新型コロナ治療薬「ゾコーバ錠」の薬価を継続

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は3月22日、新型コロナ治療薬「ゾコーバ錠」について、緊急承認時の薬価を継続することを承認した。  塩野義製薬が製造・販売するゾコーバ錠は2022年11月に緊急承認され、23年3月に1錠7407.40円で薬価収載された。今月5日に通常承認されたことから、改めて薬価算定組織で検討していた。...

24年度診療報酬改定案を了承し答申 中医協

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は2月14日、2024年度診療報酬改定案を了承し、武見敬三厚労相に答申した。  今回の改定では、医療従事者の賃上げに向け、初診料や再診料、入院基本料などを引き上げた。  初診料については、現行の288点から291点へ3点、再診料は現行の73点から75点へ2点引き上げる。  また、看護師や薬剤師など医師以外の医療従事者の賃金の改善を行う場合は初診料で6点、再診料では2点を評価する「外来・在宅ベースアップ評価料」が新設された。...

急性期入院料見直しで公益委員が裁定 中医協

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は1月31日、来年度の診療報酬改定に向けた個別項目の議論を行い、急性期一般入院料1における平均在院日数の基準と重症度、医療・看護必要度の評価項目の見直しに関して、支払側委員と診療側委員の間で意見が真っ向から対立したため、公益委員が仲裁案を示し了承された。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(5月6日-12日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS