〈医療と介護2040 管理者02〉の記事一覧
高齢者の住まいの過去・現在・これから 中🆕

高齢者の住まいの過去・現在・これから 中🆕

■供給先行で普及したサ高住
髙橋 サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)が登場したのは2011(平成23)年ですね。当時の厚労省老健局長は、サ高住のコンセプトを“厚生年金受給者が入居できる質の高い高齢者住宅”と説明していました。
 
 ところが、今やサ高住は住宅でなく施設のように扱われ、囲い込みの問題も出てきています。サ高住をどう評価されますか。
 
田村 サ高住が登場したのは「介護保険安定期」です。サ高住の前身は高専賃で、さらにその前は高優賃でした。これらをベースに2011年、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)を改正し、サ高住が誕生しました。
 
 そもそも高専賃のニーズはそれほど高くなくて、供給量も年間1万戸程度だったんです。ところがサ高住については、1室当たり100万程度という破格の補助金を出しました。この補助金は、土地持ちや、工務店、設計事務所、ハウスメーカーといった人には魅力的で、みんなそこに飛びついて、年間4万~5万戸と、一気に供給が進みました。
 
 つまりサ高住に住みたいというニーズがあったから供給が進んだわけじゃなくて、先に供給サイドに火がついた。造れば目的が達成されるわけですから、造ったあと、入居者の生活支援をどうするか、その発想がないまま…

昨年発売の「ころやわマットセンサー」を改良

昨年発売の「ころやわマットセンサー」を改良

 Magic Shields(静岡県浜松市)は、昨年10月に発売した離床センサーに衝撃吸収性と歩行快適性のあるベッドサイドマットが1つになった新製品「ころやわマットセンサー」無線タイプの発信機の位置を変更してより壊れにくくなったと発表した。
 
 ころやわマットセンサーは患者‧利用者の離床を、内蔵したセンサーシートとナースコールとの連携により重量がかかることで報知して予防する。
 
 いすやベッドからの転落、車いすへの移乗、歩行からの転倒時などには大きく沈み込み…

高齢者の住まいの過去・現在・これから 上🆕

高齢者の住まいの過去・現在・これから 上🆕

■高齢者住宅の誕生から現在
髙橋 本日は田村明孝さんと、有料老人ホームなど高齢者の住まいについて語り合います。田村さんといえば、高齢者住宅の業界ウォッチャーの第一人者として知られます。まず、高齢者住宅の歴史を振り返りましょう。
 
田村 私と業界との付き合いは50年ほどになりました。高齢者住宅・施設の変遷を追うと、以下のように、いくつかの時期に分かれます。
 
 最初は「高齢者住宅黎明期」。1970(昭和45)年、有料老人ホームの先駆けとなるものが出始めました。有料老人ホームはその少し前、1963(昭和38)年に制定された老人福祉法の29条に「届け出制」と規定されたことをきっかけに登場しました。
 
髙橋 老人福祉法では、行政が関与する措置施設の「養護老人ホーム」、今で言う要介護老人を入居させる「特別養護老人ホーム」、健康老人向けの「軽費老人ホーム」が施設体系として規定されました。
 
 養護老人ホームは生活保護法に規定された「養老院」を継承した、低所得階層向けのいわゆる救貧施設でした。特別養護老人ホームの入居には所得制限があり…

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24年の介護事業者の倒産過去最多 半数が訪問介護

24年の介護事業者の倒産過去最多 半数が訪問介護

 東京商工リサーチの調査によると、2024年の介護事業者の倒産が過去最多の172件(前年比40.9%増)に達したことがわかった。これまで最多だった2022年の143件を29件上回った。
 
 ヘルパー不足や集合住宅型との競合、基本報酬のマイナス改定などが影響した訪問介護が過去最多の81件、多様化したニーズに対応できなかったデイサービスも過去2番目の56件、有料老人ホームも過去最多の18件といずれも増加している。
 
 介護事業者の倒産は16年に年間100件を超えた。コロナ禍で利用控えなどにより増加し、コロナ関連支援で21年は一時的に減少したが…

家族型ロボット「LOVOT」の公式レンタルを開始

家族型ロボット「LOVOT」の公式レンタルを開始

 ロボットベンチャーのGROOVE X(東京・日本橋)は、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の公式レンタルサービスを開始した。
 
 家電のサブスク・レンタルサービスを手がけるレンティオのレンタルECサイト構築プラットフォーム「Rentify(レンティファイ)」を活用する。
 
 最短21泊22日4万9500円(税込み)からLOVOTとの暮らしを体験できる。23日以降も利用する場合は…

第53回 患者に「悪い話はしないで」と言われたら

第53回 患者に「悪い話はしないで」と言われたら

■毎月の事例検討会で
 毎月1回、「チーム国立」という事例検討会を開いている。国立市で在宅ケアに携わる在宅医や訪問看護師、行政などが参加している。
 
 毎回、1事例を発表し、テーマを導いて討論する。先日は「悪い話は聞きたくない、という患者」がテーマとなった。報告された事例は大腸がん末期の66歳女性。数年前に夫を亡くし、息子と2人暮らし。息子は昼間は仕事に出るので、日中独居となる。
 
 この方は4年前に大腸がんと診断され、手術と抗がん剤治療を受けた。抗がん剤の副作用がとてもつらく、1年で中止した後は病院から足が遠のいている。病院から紹介されて、今回の発表者である医師のクリニックで診るようになった。
 
 クリニックに来たとき、この方のがんはすでに肝転移と肺転移があった。小康状態が続いていたが、今年の夏、急に状態が悪化。腰痛が激しくなって動けなくなり…

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ONSの継続摂取でデイの利用率が向上 ネスレ

ONSの継続摂取でデイの利用率が向上 ネスレ

 ネスレヘルスサイエンスカンパニー(神戸市)は、経口栄養補助食品(ONS)を活用すると、通常の介護に比べデイサービス利用者1人当たりの利用期間が15カ月間増加し、総売り上げに相当するLife Time Value(顧客生涯価値)が99万7500円増加するとの推計結果を発表した。
 
 12月7~8日に神戸商工会議所会館で開催された「日本デイケア学会第29回年次大会兵庫大会」で発表した。
 
 デイサービスの半数近くは赤字で、利用率の低下が赤字の一因であると報告されている。同社の研究結果から、デイサービスを利用する高齢者の27.2%が…

手指リハビリ支援システムで共同特許 SACRA

手指リハビリ支援システムで共同特許 SACRA

 桜十字グループの先端リハビリテーションセンターSACRA(サクラ)が脳卒中や脊髄損傷などによる手指の麻痺を改善することを目的に、北九州市立大学と共同開発した「手指リハビリテーション支援システムNarem(ナレム)」が共同特許を取得した。
 
 ナレムは従来の手指リハビリ法とはまったく異なり、動く方の手指の動作を「LEAP MOTION」で取得し、システムが関節ごとの細微な動作を解析して左右対称に動きをコピー、空圧制御グローブが瞬時に動きを再現するというもの。
 
 これにより、動く方の手指と同じ動作を、ほぼ同時に麻痺した手指に行わせることができる。細かな動きを要する手指麻痺は、これまで効果的な治療法が確立されていなかったが、ナレムでは手指特有の関節ごとの細微な動きの再現が可能なため…

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