ICT機器利用の見守りサービス開始 住宅工営

2021年 8月 5日

  不動産業の住宅工営(東京都八王子市)は、日新システムズ(京都市)が開発した高齢者でもかんたんに操作できるICT機器「L1m-net(エルワン・ネット)」を導入し、不動産管理や医療、介護分野に向けた新たな高齢者支援サービスの提供を開始する。

L1mボタン

                L1mボタン

 同サービスはカードとボタンを採用したICT端末「L1mボタン」を住居に設置し、入居者・利用者は毎朝決められた時間までにボタンを押して自身の体調を知らせる。サービス管理者は通知がない場合、迅速に緊急連絡先と連携して、支援者が住居に駆けつける。

 住宅工営は、以前から住宅確保要配慮者に対し「住宅難民の解消」を目指す事業を行っており、同サービスを導入することで万一の早期発見を可能にし、オーナーの不動産価値低下を防ぐ。

 また高齢者事業として、住まいを基軸とした地域包括ケアシステムの一翼を担うため、L1m-netを利用して地域の企業などと連携することで、高齢者が安心して暮らせる住まいと暮らしのサービスを提供する。

 L1m-netは端末に世代を問わず抵抗の少ないカードとボタンを採用することで簡単操作を実現した。固定電話ほどの大きさで、光る大きなボタン、スピーカー、音量調整ダイヤル、非接触カードリーダーで構成される。

 携帯電話の通信網を利用するため、利用者はインターネット契約をする必要がなく、端末を電源につなぐだけですぐに利用でき、初期設定も不要だ。端末にタッチパネルは付属せず、IT機器に不慣れな人でも直感的に使うことができる。

 ゴミ出しの案内や日々の催し物などの地域情報、日常の注意喚起、災害の危険が迫っていることを、光と音声で伝えることもできる。利用したいサービスは地域や個人の生活課題によって異なるため、必要なサービスに合わせたカードの追加・変更が可能だ。

 同社はL1m-netを利用することを前提に、オーナーの理解を得て、住宅確保要配慮者が普通に賃貸物件を借りられる状況をつくっていく。

 また、自宅・賃貸物件に関わらず、現在住んでいる家で最後まで自分らしく、安心して暮らせるサポートと、利用者の利便性向上のためにさまざまな地域事業者と提携したサービス提供を、東京を中心に八王子以外にも展開していく。

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 座席のシートベルトを着用した状態で、上半身を座席に固定する。特に、身体が不自由な人や病気・ケガなどの理由により座位を保つことが困難で、補助が必要な人を対象としている。
 
 「ベストタイプ」と「ベルトタイプ」の2種類あり、体の状態に合わせて利用する。ベストタイプはベストのように着用し、前面(胸側)にあるバックルを締める。ベルトを座席の後ろで交差させた後、前面で面ファスナーを留める。腕を通すことが難しい場合には、左右別々にして、片方ずつ着用することもできる。

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