健康長寿のまちづくりに着手 旭化成・延岡市

2021年 1月 29日

 旭化成と子会社の旭化成ファーマは1月末から宮崎県延岡市で、健康長寿社会の実現に向けた取り組みを開始する。

 同社延岡支社と延岡市が昨年12月22日に締結した骨粗鬆症による骨折予防を目的とした「自分の足で100年歩ける健康長寿のまちづくりに関する協定」に基づき行うもの。

 2026年末までの6年間を2年ごと3期に分けて段階的に実行する。第1期に現状把握のための調査と課題解決の仮説を策定し、第2期で地域を限定した実地での試行と課題を検証。第3期に延岡市全域で事業として実施し、成果の確認と事業継続性などの最終評価を行う。

 同社創業の地である延岡市で、骨疾患治療薬の開発・製造を手がける旭化成ファーマが持つ骨領域に関する多くの知見や、旭化成のデータ解析などの技術を、高齢化が進む社会課題の解決手段として有効活用し、同市と国立循環器病研究センター、宮崎大学、東京大学の専門家との連携を通して、地域住民の健康長寿社会の実現に向けて取り組んでいく。

 延岡市では全国の市町村で初となる「地域医療を守る条例」を制定し、2011年度から全市民を対象とした「健康長寿のまちづくり市民運動」など、さまざまな健康づくりの取り組みを展開している。

 日本では骨粗鬆症の患者が約1280万人いると言われているが、骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がないことも多く、適切な予防や治療が行われていないことも少なくないという。骨粗鬆症による骨折者数は、この20年間で患者数が約2倍に増加しており、高齢化に伴い今後も増加することが見込まれている。

 骨粗鬆症による骨折は、患者本人や家族のQOLを低下させる要因にもなり、経済的な負担も少なくない。旭化成ファーマは昨年12月から一般人向けに骨粗鬆症に関する基本的な情報をわかりやすく解説したホームページを開設し、疾患啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

 また、旭化成の中期経営計画「Cs+ for Tomorrow 2021」では、「Care for People, Care for Earth(人と地球の未来を想う)」という姿勢の下、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値の向上」との好循環により、サステナビリティの実現を目指している。

 今回は延岡市が目指す「健康長寿のまちづくり」と、旭化成グループが目指す地域社会における「サステナビリティの実現」という方針が一致し、共同で「骨粗鬆症による骨折予防を目的とした健康長寿のまちづくり」に取り組んでいくことになった。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

アシストスーツ体験会を1月末に名古屋で開催🆕

 アシストスーツ協会(東京都中央区)は1月29、30日、名古屋では1年ぶりとなる体験展示会「アシストスーツEXPO in NAGOYA 2025」をウィンクあいち(愛知県産業労働センター)で開催する。  協会加盟社が出展して多種多様な製品の体感や導入相談、理学療法士による実践的な腰痛リスク評価に関する講演を行うほか、アシストスーツコンシェルジュによる相談コーナーなどを設ける。...

家族型ロボット「LOVOT」の公式レンタルを開始🆕

 ロボットベンチャーのGROOVE X(東京・日本橋)は、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の公式レンタルサービスを開始した。
 
 家電のサブスク・レンタルサービスを手がけるレンティオのレンタルECサイト構築プラットフォーム「Rentify(レンティファイ)」を活用する。
 
 最短21泊22日4万9500円(税込み)からLOVOTとの暮らしを体験できる。23日以降も利用する場合は…

ONSの継続摂取でデイの利用率が向上 ネスレ🆕

 ネスレヘルスサイエンスカンパニー(神戸市)は、経口栄養補助食品(ONS)を活用すると、通常の介護に比べデイサービス利用者1人当たりの利用期間が15カ月間増加し、総売り上げに相当するLife Time Value(顧客生涯価値)が99万7500円増加するとの推計結果を発表した。
 
 12月7~8日に神戸商工会議所会館で開催された「日本デイケア学会第29回年次大会兵庫大会」で発表した。
 
 デイサービスの半数近くは赤字で、利用率の低下が赤字の一因であると報告されている。同社の研究結果から、デイサービスを利用する高齢者の27.2%が…

手指リハビリ支援システムで共同特許 SACRA

 桜十字グループの先端リハビリテーションセンターSACRA(サクラ)が脳卒中や脊髄損傷などによる手指の麻痺を改善することを目的に、北九州市立大学と共同開発した「手指リハビリテーション支援システムNarem(ナレム)」が共同特許を取得した。
 
 ナレムは従来の手指リハビリ法とはまったく異なり、動く方の手指の動作を「LEAP MOTION」で取得し、システムが関節ごとの細微な動作を解析して左右対称に動きをコピー、空圧制御グローブが瞬時に動きを再現するというもの。
 
 これにより、動く方の手指と同じ動作を、ほぼ同時に麻痺した手指に行わせることができる。細かな動きを要する手指麻痺は、これまで効果的な治療法が確立されていなかったが、ナレムでは手指特有の関節ごとの細微な動きの再現が可能なため…

「ころやわ」の自宅・介護施設向け新製品を発売

 Magic Shieldsは骨折予防床「ころやわ」で、設置場所などを選ばない自宅・介護施設向け「ころやわジョイントマット」を発売した。
 
 医療・介護現場で使われることが多いころやわを改良し、自宅・施設内居室向けに開発した。初期費用や工事は必要なく、室内の動線など転倒骨折対策を施したい範囲に合わせて自由に並べることができる。
 
 既存の床面と「ころやわジョイントマット」との段差は…

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(1月6-12日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS