非接触で被介護者の状態把握実証へ 情報共有も

2021年 1月 5日

 福祉・介護機器メーカーのまもるーの(東京都千代田区)は1月5日、薬局・介護事業運営などを行うノースハンドグループ(広島県安芸郡)と共同で、広島県の「新たなビジネスモデル構築支援事業(実装支援)」に採択されたと発表した。

 「地域包括ケアシステムにおける非接触モデルの実現」を目指し、非接触で被介護者の状態把握とリアルタイム情報共有の実証を行う。

 まもるーのが提供している在宅向け睡眠見守りシステム「まもる〜のHOME」が、被介護者の睡眠レベル、環境状況(温度・湿度・照度) 、状態モニター(呼吸・脈拍) 、利用者状況(離床・在床・睡眠中)の状況を、非接触状態で確認・把握するテストを行う。

 加えて、ノースハンドグループの介護情報共有システム「N-SYSTEM-Care」が、介護記録や看護記録、バイタル記録、排泄記録などの情報を、介護者と介護施設、医師、薬剤師間でリアルタイム共有することで、介護者との接触回数の削減、導線の最小限化を検証する。

 まもる~のHOMEは「睡眠状況の把握」をキーワードとした、新しい在宅介護向けのクラウド型見守りシステム。ベッドのマットレス下に設置したセンサーにより、離れて暮らす家族や、普段利用している介護施設・障害者施設・医療機関スタッフが、利用者の睡眠・離床、部屋の環境をリアルタイムに知ることができる。

 まもる〜のセンサーは利用者の離床/在床や脈拍・呼吸の状態だけでなく、部屋の温度・湿度・照度、睡眠状態を把握することができ、生活傾向が一目で分かる。また、これらの状態変化をあらかじめ設定した値に基づき、アラートメールで通知することで、利用者や家族に安心を提供する。

 さらに、見守りだけでなく、ALSOKホームセキュリティとも連携しており、利用者の異変に気付いた際、家族や介護施設スタッフからの依頼があれば、全国でかけつけサービスも行う。

 一方、N-SYSTEM-Careは介護施設を中心に、「介護に関わる情報(ケア記録、バイタル記録、看護記録、排泄記録など)を地域と共有する」をコンセプトに開発した。クラウド型のシステムにより、施設外からの閲覧・登録のほか、協力医などの医療従事者も、担当する利用者情報を時間・場所に関わりなく得ることができる。

 これにより、看取りが必要な利用者の経過確認や医療従事者への報告・相談をシステム上で行うことができ、定量的な情報から医療従事者の的確な判断につなげることが可能となる。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

医療処置が必要な人の大分県内での旅行が容易に🆕

羅漢(福岡県糸島市)が運営する介護職・看護師が付き添い、旅行や外出をする民間救急らかんと、別府・大分バリアフリーツアーセンター(大分県別府市)が業務提携した。らかんと地域の異業種連携は、佐賀県嬉野バリアフリーツアーセンターに次いで2例目となる。 らかんは酸素・吸引・点滴などの医療処置が必要な人にも、介護職・看護師が付き添うことで、安心・安全に旅行ができる「むにたび」を提供している。...

タイミーが善光総研と「スマート介護士」を育成🆕

 スキマバイトサービス「タイミー」を運営するタイミー(東京都港区)は、介護事業所のDX支援を行う善光総合研究所(同)と連携し、介護業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進・生産性向上に向けて、「スマート介護士」の育成を開始する。  スマート介護士はDX機器や運用に関する専門知識を身につけ、介護現場のDX化をサポートし、介護業務の質と生産性向上を図る介護職員。2019年に創設した民間介護資格で、善光総研は、スマート介護士の資格試験を定期的に開催している。...

バイタルバンドで体温などのデータを容易に取得

 IoTBank(東京都新宿区)は介護施設で利用者がバイタルバンドを着用することで心拍数・体温・SpO2・血圧を24時間365日計測できるサービス「LitCare(リットケア)」の提供を7月22日から開始する。  介護スタッフは手動での計測作業から解放され、より多くの時間を利用者のケアに充てられるようになり、スタッフの負担軽減と介護の質の向上に寄与する。  6月から10施設以上の介護施設で無償による試験導入を行い、リットケアの効果を実感してもらっている。...

在宅医療DXの研究プロジェクトを立ち上げ 東大

 東京大学大学院医学系研究科在宅医療学講座(山中崇特任教授)では、「在宅医療DXイノベーションプロジェクト」として、各種医療サービス・生活サービスについての研究プロジェクトを立ち上げた。  国の政策により、診療報酬・介護報酬に後押しされたサービスが増加しているが、サービス同士が有機的に活用されているとは言えない。そこで、有機的なネットワークとして、これらのサービスの提供に関する研究を実施するプロジェクトを実施することにした。...

高齢者施設で認知機能の変化を把握する実証実験

 エーザイとSaaS型高齢者施設見守りシステムを提供するエコナビスタは、両社が保有するノウハウ・技術・ネットワークなどを活用し、高齢者施設の入居者に対して認知機能の変化に対する気づきを促す実証実験を行う。  エーザイによる脳の健康度のデジタルチェックツール「のうKNOW」、エコナビスタの睡眠や生活習慣データから健康状態の推移を可視化する「ライフリズムナビ」、同社が開発し特許を保有する「認知症予測モデル」などを使用する。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(8月26-9月1日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS