グンゼの連結子会社メディカルユーアンドエイ(大阪市北区)は、来年1月から超音波デブリードマン装置「ウルトラキュレット」=写真=の販売を開始する予定だ。同社は国内で初めて超音波の特性を活かしたデブリードマン装置を開発し、保険適用された。将来的には在宅治療での使用も視野に入れて普及を図る。
デブリードマンとは、褥瘡や下肢潰瘍などの創傷治療で、壊死組織や感染組織を除去し、創を清浄化すること
で他の組織への影響を防ぐ外科処置のこと。超音波デブリードマン装置を使うことで、細菌(バイオフィルム)の軽減、出血量の低減、治癒率の向上が報告されている。
メディカルユーアンドエイは、医療従事者の要望に応え、効果的なデブリードマンを実現するためにチップの形状を工夫するとともに、操作が簡単で、軽量・コンパクトな製品の開発を進めてきた。
今回開発した超音波デブリードマンは、ハンドピース内の振動子から超音波が発生し、創部に与えるチップの機械的振動とキャビテーション効果を利用して、健常組織を温存しながら選択的に壊死組織やバイオフィルムを除去する。
タッチパネル搭載により、直感的な操作が可能。ハンドピース先端のLEDライトが視認性を向上させる。軽量・コンパクトなので、病棟や外来、在宅などの処置への携行が可能で、メンテナンスデブリードマンに適している。
また、チップやハンドピース、チューブ類全て滅菌のうえ再使用可能であるため、処置ごとのコストが低減できる。
今後は国内での超音波デブリードマン装置の啓発・普及を促進し、患者のニーズに応えるため、在宅治療でも使用できる環境整備に努めていく。