手術室排煙装置を発売 日本ストライカー

2020年 9月 30日

 医療機器メーカーの日本ストライカー(東京都文京区)は、10月1日から電気メスなどで生体組織を焼灼または切開した際に発生する煙(サージカルスモーク)を吸引・除去する排煙装置「SafeAir Compact Smoke Evacuator(SafeAir:セーフエア)」を販売する。

 サージカルスモークには有害な化学物質とともに、細菌やウイルスが含まれるとされている。SafeAirを使うことで、執刀する外科医だけでなく、看護師や麻酔科医への健康被害のリスクを低減する。

 手術室で電気メスを1日使用した場合、サージカルスモークによる執刀医への健康リスクは、27~30本の喫煙に相当すると言われている。サージカルスモークに含まれる有害物質は微小であるため、一般的なサージカルマスクでは十分に防ぐことができず、医療従事者が肺炎などに罹患する健康被害が報告されているという。さらに、サージカルスモークに含まれるウイルスが、感染症を媒介する可能性も示唆されている。

 米国では2020年度中に12の州で手術室に排煙装置を設置することが義務付けられ、21年度にはさらに9つの州で義務化される予定。日本でも、今年4月に日本医学会連合と日本外科学会を含む12の学会による提言として「電気メスを使用する際は排煙装置を用いる」との指針が発表されている。

 SafeAirは同社製の排煙機能付き電気メスペンシル「Neptune E-SEP(ネプチューン・イーセップ)」と互換性を持ち、電気ケーブル・吸引チューブを接続して使用する。電気メスの作動とタイムリーに連動する自動吸引機能を持ち、サージカルスモークの発生状況に応じて吸引力を10段階に調整できるなど、効率的にサージカルスモークを除去する。さらに、本体内部のULPAフィルターが0.1マイクロミリメートル以下の微細なウイルスも捕捉することで、有害物質やウイルスの再拡散を防ぐ。

 日本ストライカーはSafeAirやNeptune E-SEPのほか、内視鏡手術下で用いられる排煙機能付き気腹装置や単回使用の除煙フィルターなど、サージカルスモークに対応する複数の製品を取りそろえ、診療領域に応じたソリューションを提供している。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

サルコペニア治療の臨床研究をブラジルで開始🆕

 ヒューマンライフコード(東京都中央区)は、サルコペニアの治療法の開発を目指し、ブラジルのリオ・グランデ・ド・スール連邦大学と、サルコペニア特異的なバイオマーカー探索のための臨床研究を開始した。  同社は臍帯由来の間葉系細胞(UC-MSCs)を再生医療などの製品として実用化し、普及することを目指している。  サルコペニアは2016年に国際疾病分類に登録されて以降、疾患として認識されているが、現行の診断では適切な治療介入タイミングを見極めることが難しく、効果的な治療法が確立されていない。...

新見市で高齢者ヘルスケアサービスの実証実験🆕

 Nurse and Craft(広島県呉市)は、岡山県新見市・新見公立大学と連携し、同市の豊永地区で、STARTWELL導入を見据えた実証実験を3〜5月の3カ月間実施する。  STARTWELLは高齢者向けヘルスケアサービス。スマートウォッチを活用した24時間の身体・行動データのモニタリングと、定期的な尿検査キットの提供により、利用者の栄養状態の傾向を把握し、運動促進や睡眠・栄養改善、社会的交流の創出による高齢者の健康づくりを実現する。...

大阪・泉尾病院の共同送迎にAI配車システム提供

 REA(東京都中央区)とみつばモビリティ(同港区)は、大阪府済生会泉尾病院(大阪市)の病院間送迎に、REAの提供するクラウド型AI配車システム「Noruuu-Sharing」を活用した送迎シェアリングサービスを提供する。  患者と各医療機関が泉尾病院へ送迎の依頼を電話で行うと、泉尾病院は依頼をNoruuu-Sharingのシステムに入力。その情報に基づきAIで送迎ルートを自動作成し、みつばモビリティが運行する車両のドライバーのタブレットへ送る。...

JR東京総合病院の新病棟に「患者支援センター」

 JR東京総合病院(東京都渋谷区)の新病棟「A棟」(地上16階、地下2階、401床)が3月24日に開業するとともに、外来棟「B棟」をリニューアルする。  A棟の1階に医療・介護・福祉に関するさまざまな相談に対応する「患者支援センター」を新設。看護師や医療ソーシャルワーカーが、治療と生活を切れ目なくワンストップでサポートする。  多床室は全て4床室とし、96床を半個室とし、プライバシーや快適性を高める。個室に加えて多床室にも各病室内にトイレを設置する。...

ミリ波レーダー活用のAI離床センサーの提供開始

 フル機能のエッジAIを提供するQuantumCore(東京都品川区)は、ミリ波レーダー活用ソリューション「RDQore」をベースに、介護領域向けの新製品「AI離床センサー」の提供とOEM提供を開始した。  ベッドサイドに設置するだけで「寝ている」「起き上がる」「ベッドを離れる」といった動作をエッジ単体でリアルタイムに検知し、既存のナースコールやBluetooth・Wi-Fiを通じて即座に通知する。  すでに介護見守りシステム事業者1社へのOEM提供を開始しており、実際の設備導入検証を進めている。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(3月10-16日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS