米子市がモデル地区を対象に実施した、ICTを活用したフレイルチェックで、高齢者の約45%がフレイル・プレフレイル状態であることが分かった。
米子市は、同市のソフトウエア会社コロンブスと、昨年度から「『ずっと元気にエンジョイ!よなご』健康寿命の延伸大作戦プラン」事業を行っている。
その一環として、コロンブスは厚生労働省が作成した基本チェックリストをシステム化した「ASTERⅡ」を提供し、米子市はASTERⅡを活用したフレイルチェックをモデル地区で実施した。
これまでは紙の評価票を使っていたため、職員による手作業で時間がかかっていた基本チェックリストの判定結果算出を、ASTERⅡで自動化し、すぐに結果を印刷して受検者へ提示できるようになった。これにより、受検者がその場で自身の状態を即把握でき、改善意識の醸成につながることが確認された。
同時に、データベース化することで、個人単位から地域単位で健康状態の傾向や経過を把握することができるようになった。また、点数で表示していた結果内容を「フレイルの疑いがあり」「フレイルになる一歩手前」「フレイルの可能性は低い」の3つに分類することで、点数よりも分かりやすくなった。
さらに、総合的評価とともに、生活機能・運動機能・栄養・口腔機能・閉じこもり・物忘れ・うつの項目別評価も行うことができ、それを時系列的変化で確認することも可能になった。
同市ではフレイルの疑いがある高齢者を対象に、従来の一般介護予防とは別にフレイル予防を目的とした介入指導教室を実施した。その結果、基本チェックリストの項目では運動機能・口腔機能・うつが、体力測定では片脚立位時間などで改善が見られている。
米子市では今年度、フレイル予防事業を全市に拡大して行う予算を計上し、市内の65歳以上の高齢者全員のフレイル測定を行う予定である。