米子でフレイルチェック 45%が要介護手前

2020年 4月 23日

 米子市がモデル地区を対象に実施した、ICTを活用したフレイルチェックで、高齢者の約45%がフレイル・プレフレイル状態であることが分かった。

 米子市は、同市のソフトウエア会社コロンブスと、昨年度から「『ずっと元気にエンジョイ!よなご』健康寿命の延伸大作戦プラン」事業を行っている。

 その一環として、コロンブスは厚生労働省が作成した基本チェックリストをシステム化した「ASTERⅡ」を提供し、米子市はASTERⅡを活用したフレイルチェックをモデル地区で実施した。

 これまでは紙の評価票を使っていたため、職員による手作業で時間がかかっていた基本チェックリストの判定結果算出を、ASTERⅡで自動化し、すぐに結果を印刷して受検者へ提示できるようになった。これにより、受検者がその場で自身の状態を即把握でき、改善意識の醸成につながることが確認された。

 同時に、データベース化することで、個人単位から地域単位で健康状態の傾向や経過を把握することができるようになった。また、点数で表示していた結果内容を「フレイルの疑いがあり」「フレイルになる一歩手前」「フレイルの可能性は低い」の3つに分類することで、点数よりも分かりやすくなった。

 さらに、総合的評価とともに、生活機能・運動機能・栄養・口腔機能・閉じこもり・物忘れ・うつの項目別評価も行うことができ、それを時系列的変化で確認することも可能になった。

 同市ではフレイルの疑いがある高齢者を対象に、従来の一般介護予防とは別にフレイル予防を目的とした介入指導教室を実施した。その結果、基本チェックリストの項目では運動機能・口腔機能・うつが、体力測定では片脚立位時間などで改善が見られている。

 米子市では今年度、フレイル予防事業を全市に拡大して行う予算を計上し、市内の65歳以上の高齢者全員のフレイル測定を行う予定である。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

重度訪問介護の提供事業者が連絡会を設立🆕

 重度訪問介護の提供事業者による任意団体「全国障害者地域生活支援事業者連絡会(ぜんちれん)」がこのほど設立記念総会を開催。国会議員や地方議員、厚生労働省障害福祉課長、医師系団体の関係者、企業・団体のリーダー、記者、重度訪問介護事業の経営者など、オンライン参加を含め250人以上が参加した。  重度訪問介護は利用者の自宅という閉じた環境でケアを行うという特性上、高い専門性や規範が求められる。しかし、最近は制度の趣旨から逸脱し、営利追求を目的とした事業所が一定数存在している。...

在宅向け介護用ベッド新製品発売 パラマウント🆕

 パラマウントベッドは在宅向け介護用ベッドの新製品「楽匠Fit(フィット)」シリーズを8月末に発売する。  2020年8月に発売され、累計販売台数23万台を超える主力製品「楽匠プラス」シリーズの後継機種で、在宅の療養環境の質をさらに高めることを目的に開発した。  製品には再生された樹脂材を含有した樹脂ボードを採用。広域認定制度を活用して回収した同社製の使用済み樹脂ボードを、新たな樹脂ボードへと再生する「水平リサイクル」によって実現したもので、水平リサイクル部品を採用したベッドとしては、日本初となる。...

「折り畳み式洗浄機能付き簡易トイレ」を開発

 自動車・二輪車の販売、キャンピングカー事業などを展開するTCL(名古屋市)は、アウトドアだけでなく、介護や災害時の備蓄にも最適な「折り畳み式簡易トイレ(仮称)」を開発した。  パイプ椅子のように折り畳めて、コンパクトに保管・使用できる。「おしり洗浄機能」を搭載しているため、これまでの簡易トイレで実現が難しかった「簡易性」と「快適性」を両立させた。  洗浄機能は通常電源(AC100V)以外にモバイルバッテリーでも作動し、屋外など電源が確保しにくい環境でも使える。また、ペットボトルに入れたお湯を使えば温水で洗浄できる。...

神奈川県の介護ロボット事業に参画 善光総研

 善光総合研究所は神奈川県が実施する「令和7年度 介護ロボット実用化促進事業」に参画する。  「さがみロボット産業特区」の取り組みの一環として、介護事業所における介護ロボットなどの導入効果を検証し、その結果を分析・公表することで、介護現場へのロボット導入の促進を図る。  県内の介護事業所を対象に、生産性の向上や被介護者のQOL向上に関する課題を広く募集し、それぞれの課題に適した介護ロボットを導入することで、具体的な効果や課題解決への貢献度を検証する。...

介護タクシー予約アプリが事業者会と協業

 IT FORCE(東京都中央区)が提供する介護タクシー予約アプリ「よぶぞー」が、全日本介護タクシー事業者会(大阪市中央区)の賛助会員になり、協業を開始する。
 
 介護タクシーの予約の際に、同団体の加盟事業者を判別しやすくすることで、優良事業者を選定し、利用者満足度の向上や事業者の業務効率化、競争力強化につなげる。
 
 よぶぞーは介護タクシーに特化した配車予約のためのマッチングアプリ。介護タクシーを簡単に利用できることで、高齢者や要介護者などの移動困難な人に手軽な移動手段の確保を提供し、社会活動への参加を促す。

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(8月18-24日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS