オリンパスの前立腺肥大症(BPH)の低侵襲治療デバイス「iTind」がこのほど、米国FDA de Novo(デノボ)の承認を取得した。
FDAデノボは同等のデバイスがなく、使用目的に対し安全性と有効性が合理的に保証された、新規医療デバイスの登録プロセスのこと。
BPHは高齢男性に多く見られ、下部尿路症状(LUTS)の原因として、最も一般的な疾患である。米国泌尿器科学会は、男性の10人に8人が一生に一度はBPHを発症するとしている。
iTindはシンプルな低侵襲治療手技のため、投薬・手術・インプラント治療に伴う合併症を防ぐことができる。外来で経尿道的に前立腺部3本のナイチノール製ワイヤーのデバイスを留置し、5日間かけて尿道を広げることで尿の流れを確保する。
iTindはイスラエルの医療機器会社Medi-Tate社が開発した。オリンパスは同社に2018年11月に出資し、米国でのiTindの独占販売権をもっている。
オリンパスは長年、前立腺の切除・蒸散・核出に使用する電極など、BPHの切除デバイスの開発・販売で市場をリードしてきた。iTindの導入により、患者のQOL向上に貢献する治療手技に新たな選択肢を提供することになった。