東京都町田市西成瀬の鞍掛台自治会は4月3日から、地域住民の買い物・外出支援を目的とした送迎サービス「鞍掛台買物・外出支援プロジェクト」の本稼働を開始した。近隣の社会福祉事業所4者との協働事業。
外出に困っている高齢者などのため、近隣の福祉事業所の送迎車とドライバーの空き時間を利用して無料送迎車を運行する。車は地域の拠点となる成瀬コミュニティセンターと鞍掛台地区の4つの乗降場所を周回する
鞍掛台地区は急な坂道が多く、バス停まで遠いことに加えて住民の高齢化が進み、外出が不便だという意見が住民から鞍掛台自治会に寄せられていた。そこで、自治会が中心となり、地域の高齢者支援センターと福祉事業所が一緒になってプロジェクトチームをつくり、2018年から約1年かけて検討を重ねた。
昨年3月7日から、毎週木曜の午前11時から午後2時の間で6便、成瀬コミュニティセンターと4カ所の乗降場所を結ぶルートで、半年間の試行運行を始めた。運行を重ねながら問題点を検証し、取り組みを継続していくための改善も行った。
10月からの半年間は、時間と便数を変更し、午前10時45分から午後3時までの8便で、再び試行運行を行った。試行運行期間の1カ月の平均利用者は約70人、累計約860人だった。
今年4月からの本運行では、昨年12月に行った住民へのアンケートや試行運行を検証し、毎週火曜・金曜の週2回、1日5便、週10便の運行で、利用者の利便性と拡大を図る。
また、取り組みが新聞に掲載されたこともあり、市外からの視察や市内の他地域からの見学も受け入れている。市内では同様の「地域支え合い型の移動支援」が鶴川地域や相原地域にも広がり、今後の展開も期待できる。
町田市南部にある西成瀬の鞍掛台地区は1960年代に分譲された330世帯、約850人が暮らす住宅街で、9割以上が鞍掛台自治会に加入している。
なお、この取り組みは「まちだ〇ごと大作戦18-20」の支援を受けて行われた。これは市民が参加することを通じて、自らの地域への愛着や誇りを育むことを目指し、2018年1月から今年12月まで実施するものだ。
町田商工会議所や町田市町内会・自治会連合会など、25団体で構成されるオール町田体制の「まちだ○ごと大作戦実行委員会(https://machida-marugoto.jp/)」が推進している。
コンセプトは、「人と人、人と地域団体との新しいつながりから市民や地域団体の考える夢をみんなでカタチにし、次世代へのレガシーを創りあげる交流感動都市まちだへ」。市民や地域団体、企業などから、自ら「やってみたい夢」の実現に向けた提案・アイデアの募集を行っている。
町田市では、2018年の市制60周年から東京2020オリンピック・パラリンピックへと続く3年を、市民とともにまちの魅力や活力を高めていく未来を見据えた3年と捉え、この活動を始めた。