“ホスピスホーム”分析レポート発行 タムラP

2025年 6月 18日

 高齢者住宅のデータベースとコンサルティングを提供するタムラプランニングアンドオペレーティング(田村明孝社長)は、ホスピスホーム(同社は「緩和ケアホーム」と呼称)の実情に関する分析レポートを今月発行した。

 近年、入院期間短縮が促進され、医療機関以外の場所への訪問看護サービス需要が増大している。訪問看護の報酬は介護保険か医療保険から給付され(下図)、要介護・要支援認定者は介護保険が優先する。

 要介護・要支援認定者が医療保険で訪問看護サービスを受けるには、特定の病気・状態(末期がんや人工呼吸器使用など)に該当し主治医の指示が必要だ。

訪問看護の概要

第182回社会保障審議会介護給付費分科会(2020年8月19日)資料3より

 報酬金額は条件によって異なるが、おおむね医療のほうが多い。

●医療保険(訪問看護基本療養費=2022年診療報酬改定に基づく)
看護師の訪問…週3日までは5550円/回、4日目以降は6550円/回
専門の研修を受けた看護師による訪問…1万2850円/回

●介護保険(訪問介護費=2021年介護報酬改定に基づく)
 訪看ステーションからの訪問の場合、
  20分未満…313単位(=3130円)
  30分未満…470単位(=4700円)
  30分以上1時間未満…821単位(=8210円)
  1時間以上1時間30分未満…1125単位(=1万1250円)

 前述の「医療機関以外の場所への訪問看護サービス」には、介護保険適用と医療保険適用があるわけだが、タムラプランニングによると、近年、特定の訪問看護事業所と連携し、医療保険(診療報酬)による訪看サービスで多額の収益を上げる高齢者住宅が増加している。

 “特定の訪看事業所”とは自社・関連会社・それら以外と、さまざまなケースがある。田村社長によれば、ある高齢者住宅は精神疾患患者を多く入居させ、訪看事業所と連携して訪問看護を提供している。この高齢者住宅と訪看事業所は表面上は全く別会社で資本も別だが、実質オーナーは同一人物という。

 医療保険(診療報酬)による訪看サービスで多額の収益を上げる高齢者住宅のなかでも、特定の疾患の患者を主な入居対象とする“ホスピスホーム”(ホームホスピスとは全く別の業態)は2018年ごろから急増している。

 これらは入居者が負担する家賃など月額費用は低廉だが、入居者1人当たり年間売上高は高級老人ホーム並みという。

 分析レポートにはそのほか、医療保険(診療報酬)による訪看サービスで多額の収益を上げる高齢者住宅の供給ランキングや、これらが増加した背景、こうした住宅の問題点などを掲載している。

 ●分析レポートは4月末日に発行した『TPデータサービス「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」 2025 年度上半期号』の緊急増刊号。『2025年度上半期号』の購入者には無償で提供、それ以外は有償となる。問い合わせ先=tamurakikaku-a@tamurakikaku.co.jp

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

介護タクシー予約アプリが事業者会と協業🆕

 IT FORCE(東京都中央区)が提供する介護タクシー予約アプリ「よぶぞー」が、全日本介護タクシー事業者会(大阪市中央区)の賛助会員になり、協業を開始する。
 
 介護タクシーの予約の際に、同団体の加盟事業者を判別しやすくすることで、優良事業者を選定し、利用者満足度の向上や事業者の業務効率化、競争力強化につなげる。
 
 よぶぞーは介護タクシーに特化した配車予約のためのマッチングアプリ。介護タクシーを簡単に利用できることで、高齢者や要介護者などの移動困難な人に手軽な移動手段の確保を提供し、社会活動への参加を促す。

車いす用クッション「MOLA」に薄型 タカノ🆕

 タカノは車いす用クッション「タカノクッションMOLA(モーラ)」に、やせ型の人や足こぎをする人などに適した薄型のスリムタイプを追加した。
 
 新製品は独自のサイドマウンテン形状が尾骨部や坐骨結節部の圧力を分散し、広い面で支えることにより安定した座位保持を実現している。
 
 クッション裏面に施された10個のスリット加工によって大腿部裏への圧迫感を軽減。座位時から15分後の圧力分散でも、一般的な薄型クッションよりも優れた除圧効果を確認した。

業務用オープンイヤー型イヤフォンを発売

 BONX(東京都中央区)は、NTTソノリティ(同新宿区)と共同開発したオープンイヤー型イヤフォン「BONX intro knot for Stick」を発売した。BONXの主力製品であるコミュニケーションデバイス「BONX Stick」の標準イヤフォンとして開発した。
 
 医療や介護、建設、接客業など、あらゆる現場で快適なコミュニケーションをサポートする。長時間の装着でも疲れにくく、周囲の音を聞き逃さず安全性が確保できる。
 
 同製品は3.5mmプラグを搭載しており、NTTソノリティはこれとは別に、業務用インカムとトランシーバーに対応する2.5mmプラグ搭載の「intro knot 2.5 Curl-Cord」を発売した。
 
 NTTソノリティ独自の「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」技術を搭載し、音漏れを抑えつつ、周囲の音をクリアに聞き取ることができる。

日中サービス支援型GHを全国で50カ所開設へ

 ユースタイルラボラトリー(東京都中野区)は重度身体・知的・精神障害者の居場所不足の解消に向け、日中サービス支援型グループホーム「ユースタイルホーム」の新設を加速する。  障害者向けグループホームは介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中サービス支援型」に分類される。  日中サービス支援型は日中の時間帯もホーム内で過ごすことができる24時間365日支援付きの施設。支援区分4以上の利用者が多いことが特徴で、重度の障害者の居場所不足や障害者の高齢化に伴い 2018年に制度化された。...

プライバシー配慮の見守りシステム提供 富士通

 富士通はカメラを使わず、ミリ波レーダーでプライバシーを保護しながら高度な見守りを実現する「ミリ波レーダ見守りシステム」の提供を開始した。介護施設やサ高住の居室、バリアフリートイレなど、プライバシー保護の観点からカメラ設置が難しい空間で利用者の安全を見守る。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(7月21-27日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS