ドラッグロス解消へ研究会を発足 三菱総研

2023年 10月 8日

 

 三菱総合研究所は国内の治験形態の転換(CTX)により国際共同治験への参加を促進し、ドラッグラグ・ドラッグロスの解消を目指す日本CTX研究会を設立した。

 CTXとは治験を効率的・効果的に実施するため、治験の組み立て方や運用、通例などの形態を転換すること。

 海外で取り組まれている治験の分散化(分散型臨床試験:DCT)による治験の効率化、患者の治験参加機会増加、治験計画段階からの前向きの質保証、適正な市場価値に基づく費用算定の考え方が、日本では本格的に導入されていない。

 国際的な潮流に対応するには、CTXを推進して国際共同治験への参加を向上させることが急務となっている。

 CTXを推進させるためには、産官学患の連携が求められる。三菱総研はステークホルダー間の垣根を取り払い、利害関係を超えた連携の場となる日本CTX研究会設立のため、準備委員会を今年4月に発足させて協議を進めてきた。準備委員会には製薬企業やCRO(開発業務受託機関)など、12社が参加した。

 日本CTX研究会では、CTX推進の最初のテーマとしてDCTを取り上げる。これはデジタル技術を活用し、医療機関に来院することなく、患者の自宅など遠隔地で実施する治験のこと。オンライン治験やリモート治験とも呼ばれる。

 DCTは新型コロナの流行を機に世界的に取り組みが加速したが、日本では導入に向けて規制整備が進みつつある段階だ。

 本格導入にはDCT導入の遅れによる治験でのジャパンパッシングに関する危機感、あるいはDCT導入に向けた不明点や不安などの共通認識を、ステークホルダー間で持つことが重要だ。また、普及に向けてはDCT導入の実績・エビデンスも重要となる。

 日本CTX研究会では、ステークホルダー間のDCTに関する共通認識の醸成、DCT導入・普及の課題の深掘り、それを解決するために必要な規制や制度、支援など国としての取り組みを提言することで、実績・エビデンスを創出しやすい環境づくりに取り組む。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

改良版の介護用洗身用具を発表 シリウス🆕

 シリウス(東京都台東区)は改良版となる「介護用洗身用具 switle BODY(スイトル ボディ) 」の改良版を発表した。  介護施設や医療機関などから寄せられた意見・要望をもとに、肌に触れるヘッド部分や洗身時に使用する湯の体感温度などを向上させた。  ヘッド部分は装着するスポンジを約5mm厚くすることで、より柔らかい感触を得られるとともに、吸水力を強化した。  また、スポンジの厚みを増すことでヘッド側面のプラスチック部分が肌にあたる恐れを回避し、皮膚が弱い要介護者へのけがの防止にもつなげている。...

園児の昼寝見守るシステムを全社で導入 ソラスト🆕

 医療や介護、保育サービスなどを提供するソラスト(東京都港区)のグループ会社「はぐはぐキッズ」と「なないろ」は、運営する保育園で昼寝中の園児を見守るシステムを導入する。同社では2022年度から導入を開始しており、今後すべてのソラストグループで導入する。  このシステムはユニファが開発・提供しているICT サービス「ルクミー午睡チェック」。園児の衣類にボタン式センサーを取り付け、うつ伏せ寝や体動静止状態が続いた場合は専用アプリがアラートで保育士に通知する。  これまで保育士が5...

介護タクシー予約アプリの会員数が5000人突破🆕

 IT FORCE(東京都中央区)は介護タクシー予約アプリ「よぶぞー」の累計アプリ会員数が 5000 人を突破したと発表した。  介護タクシーは利用者が必要とする介護の内容によって事業者側の対応可否が変わってくるため予約が複雑で、同社の調べによると、配車までの平均通話時間 7〜15 分、電話回数 2.5 回と予約が取りにくいのが問題となっていたという。...

高齢者の健康増進事業で都と協定締結 FrontAct

 FrontAct(東京都中央区)は東京都と東京都健康長寿医療センターが推進している「高齢者の健康づくりに資するスマートウォッチ等デジタル機器活用事業」の実用化に向けた準備を行うための三者協定を締結した。  同事業は東京都福祉局が2022年度から実施しており、同センターが持つ知見や臨床・研究フィールドを活用し、高齢者のバイタルや身体活動量を計測できるスマートウォッチなど使いながら、在宅中も健康状態の把握やフレイルリスクを検知できるアプリの開発などにつなげるとともに、高齢者の行動変容を促し、健康増進を図ることを目的としている。...

RPA活用で済生会2病院が年2000時間の業務を自動化

 ヒューマンリソシア(東京都新宿区)は、同社がRPA(ロボットによる業務自動化)導入・利活用を支援する東京都済生会中央病院(同港区)と済生会向島病院(同墨田区)で、合計で年間約2000時間の業務自動化を実現したと発表した。  同社は総合人材サービス会社で、医療機関向けの人材派遣・業務受託・DXソリューション活用支援サービスを展開している。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(11月11-17日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS