PST(横浜市)とSOMPOホールディングス、SOMPOケアは、スマートフォンやタブレットなどで音声を解析して高齢者の嚥下機能評価を行う技術を共同開発し、年内に事業化することで合意した。
PSTは以前からヒトの機能や病態の違いによる音声変化を解析・判定する「音声病態分析技術」の研究開発に取り組んでいる。今回の評価技術は、それを基にいくつかの音声から嚥下機能の状態を分析し、蓄積されたデータから評価を行うものだ。
通常、嚥下機能評価は摂食嚥下障害認定看護師や言語聴覚士(ST)が飲水・摂食時の状態を評価したり、内視鏡を使用して嚥下の様子を直接観察したりするなどの方法で行っているため、簡便・恒常的に行うことが難しいとされている。
新技術を活用すると、専門職の経験値や専用の機器が要らず、手持ちのスマートフォンやタブレットを使用し、複数パターンの発声をするだけで即時に嚥下機能の定量評価が可能となる。
また、最先端の解析手法を取り入れたPSTの音声病態分析技術は、言語に依存しない解析技術であることから、海外展開も可能だ。
今後、SOMPOホールディングスとSOMPOケアは、介護サービスでの新技術の事業化や技術活用のノウハウ、サービスを含めた幅広い場面での利用を目指す。
一方、PSTは新技術のさらなる研究開発を進め、さまざまな事業体に提供していく方針だ。