厚生労働省は介護現場での認知症への対応力を強化するため、介護に直接携わる職員のうち、無資格者に対して認知症基礎研修の受講を義務付ける方針を示した。
2021年度の介護報酬改定に向けて議論を行っている、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護給付費分科会の11月5日の会合で提案し、複数の委員の賛同を得た。
公益財団法人介護労働安定センターの報告書によると、介護職員のうち無資格者が6.1%いる。こうした職員に対し、同研修をすべてe-ラーニング化した上で、「認知症の人の理解と対応の基本」「認知症ケアの実践と留意点」について、6時間の受講を義務付ける。実施に当たっては、一定の経過措置を設ける予定。
また、認知症専門ケア加算について、現在、対象となっていない訪問系サービスについても、在宅の中重度の要介護者も含めた認知症対応力を向上させていく観点から、加算の対象とする方針も提示した。
さらに、算定要件である「認知症介護指導者養成研修の修了者の配置」を満たす資格要件に、認知症ケアに関する専門性の高い認知症看護認定看護師、老人看護専門看護師、精神看護専門看護師を加えることを提案し、委員からは賛成の意見が出されていた。