新型コロナウイルスの感染が疑われる患者を外来で診察した医療機関に診療報酬を上乗せする特例が4月8日、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の第453回総会で了承された。
感染が疑われる患者が来院した場合、専門外来のない診療所や一般病院でも、他の患者との診察時間をずらすなど感染予防対策を行った上で診察すれば、院内トリアージ実施料として1回当たり300点を算定できる。
さらに、感染予防策を講じた上で、新型コロナウイルス感染者を一般病棟に入院させる場合、感染病棟と同様に、二類感染症患者入院診療加算として1日当たり250点の報酬を上乗せする。さらに、1日当たり950点の救急医療管理加算も、特例として14日間まで算定できるようにする。
●新会長に一橋大の小塩教授
総会では、田辺国昭前会長(現国立社会保障・人口問題研究所長)の任期満了に伴う新会長の選任が行われ、1号側(支払側)・2号側(診療側)ともに推薦を行った、一橋大学経済研究所の小塩隆士教授が選ばれた。
小塩新会長は就任のあいさつで、新型コロナウイルスの感染拡大について「日本の医療にとって戦後最大の危機」との認識を示し、中医協としても「次々に生じる問題に、タイムラグなしで対応していく必要がある」と述べた。
この日の総会は新型コロナウイルスの感染防止のため、初めてオンラインで開催し、多くの委員がインターネットを通じて参加した。また、特例として当分の間、総会・部会・小委員会・薬価算定組織・保険医療材料等専門組織・診療報酬調査専門組織・費用対効果評価専門組織を、持ち回りで開催することも可能とする提案も了承された。