■外来で検査し在宅で治療
今回も新田クリニックの研修医のレポートから、在宅医療を考察したい。前回のK医師同様、総合医療センターに在籍するA医師は、新田クリニックで初めて訪問診療を体験した。
A医師が担当したのは70代後半のOさん(男性)である。Oさんは直腸がんの手術後に人工肛門を造設し……
【筆者紹介】新田國夫(にった・くにお) 新田クリニック院長、日本在宅ケアアライアンス理事長
1990年に東京・国立に新田クリニックを開業以来、在宅医療と在宅看取りに携わる。

■外来で検査し在宅で治療
今回も新田クリニックの研修医のレポートから、在宅医療を考察したい。前回のK医師同様、総合医療センターに在籍するA医師は、新田クリニックで初めて訪問診療を体験した。
A医師が担当したのは70代後半のOさん(男性)である。Oさんは直腸がんの手術後に人工肛門を造設し……
【筆者紹介】新田國夫(にった・くにお) 新田クリニック院長、日本在宅ケアアライアンス理事長
1990年に東京・国立に新田クリニックを開業以来、在宅医療と在宅看取りに携わる。
■人との距離をとって外を歩く
3月末からコロナ感染の第4波が日本中を襲っています。数種類の変異型ウイルスが確認され、感染力が強い可能性のあるウイルスが感染者を増やしています。
4月25日から、東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に対し、3回目の緊急事態宣言が出されています。これに先立ち……
【筆者紹介】高橋眞生(たかはし・まなぶ) ㈱カネマタ代表取締役
在宅医療薬剤師。千葉・船橋で保険調剤薬局を展開。訪問薬剤管理を長年実践し、在宅患者からの信頼も篤く地域医療に貢献している。
介護など家族の世話に携わる「ヤングケアラー」を支援しようという声が出ている。支援に反対するわけではないが、違和感がある。役割を前提に支援するのではなく、その状態からどう脱却させるか、を考えるのが筋だと思う。
“ケア”に当たるのが当の子どもしかいない世帯は実は多くないし、本当に要介護者と子どもしかいない世帯なら……
【筆者紹介】時不知すずめ(ときふち・すずめ) 医療や介護について取材する全国紙記者
Ⅴ.今後の展望
〈2040年の社会保障〉
与えられた授業時間も終わりが迫ってまいりましたので、最後のテーマに移ります。
これからの社会保障はどうなるのでしょうか。政府は2040年の社会保障の姿を推計しています。2040年というのは日本において高齢者数がほぼピークに達する年(将来人口推計では2042年まで高齢者数は増加)であるからです。今後の社会保障について議論する際に……
【筆者紹介】中村秀一(なかむら・しゅういち)
医療介護福祉政策研究フォーラム理事長、国際医療福祉大学大学院教授。厚生労働省老健局長、社会・援護局長、内閣官房社会保障改革担当室長などを歴任。
■地域包括ケア時代、病院の機能も変わった
「あの看護師さんが紹介されたら、もうアカンらしいでぇ」。
私のことが、そんなふうに患者さんの間で噂されている。病棟看護師が申し訳なさそうに教えてくれた時は、さすがの私もショックだったなぁ。積極的な治療が困難になった肺がん患者の退院支援が多く依頼される病棟だったので……
【筆者紹介】宇都宮宏子(うつのみや・ひろこ) 在宅ケア移行支援研究所宇都宮宏子オフィス代表
訪問看護師や大学病院の退院調整看護師として研鑽を積み、2012年に在宅ケア移行支援研究所を設立。「退院支援の伝道師」として活躍する。
〈少子化〉
次に社会保障に大きな影響を与える人口の動向を見てみましょう。
まず、少子化の問題があります。平成に入って早々に「1.57ショック」ということが言われました。これは1989年の合計特殊出生率1.57が1966年の丙午の年の異例に低かった合計特殊出生率1.58を下回り、関係者に衝撃を与えたからです。「少子化」という言葉が用いられるようになったのもこのころからです。その後も少子化の傾向はさらに深刻になり……【筆者紹介】中村秀一(なかむら・しゅういち)
医療介護福祉政策研究フォーラム理事長、国際医療福祉大学大学院教授。厚生労働省老健局長、社会・援護局長、内閣官房社会保障改革担当室長などを歴任。
都立日比谷高校では、毎年、卒業生を講師に招き「先輩による授業」(星陵セミナー)を行っている(今年で15回目)。昨年は新型コロナウイルスの蔓延で中止となったが、今年は遠隔方式で3月19日午後に行われ、卒業生20人が講師を務めた。授業を受けるのは同校の2年生であり、生徒は自分が選択する講師の授業を受けるという方式である。
筆者はこの高校の卒業生であり、3年前から……
【筆者紹介】中村秀一(なかむら・しゅういち)
医療介護福祉政策研究フォーラム理事長、国際医療福祉大学大学院教授。厚生労働省老健局長、社会・援護局長、内閣官房社会保障改革担当室長などを歴任。
この国は再び神風を待っているのだろうか? と思った瞬間があった。
政府が東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県で2週間の緊急事態宣言を延長する、と決めたときだ。ほとんど無策だったからだ。
新型コロナウイルスの新規発生者数の減少には歯止めがかかっていた。下がりきらないのだから延長は当然にしても、さらなる減少に持ち込むには……
【筆者紹介】時不知すずめ(ときふち・すずめ)医療や介護について取材する全国紙記者 週末、川べりの桜のつぼみは固かった。強い低気圧が抜けた週明け、ニュースは東京の桜が満開だと伝え、見に行くと葉桜だった。いつ咲いたのだろう。閉じこもりがちだった昨年、季節の記憶はあいまいだ。今年も再び、そんな年になるのだろうか。時間を失っているような焦りを感じた。
■独立後の医療政策
1951年9月8日、GHQによる占領が終了する。前年、1950年からの朝鮮特需で持ち直しはじめていた日本経済は、徐々に、欧米先進国の背中を見ながらキャッチアップ軌道に乗り始めていく。
高度経済成長期を迎えると、産業界の資金需要は活発となっていった。銀行が高い金利で融資を行うことができる大企業を私的病院よりも優先していくのは当然で……
【筆者紹介】権丈善一(けんじょう・よしかず) 慶應義塾大学商学部教授
専門は社会保障・経済政策とりわけ再分配政策の政治経済学。「社会保障制度改革国民会議報告書」(2013年8月)の「医療・介護分野の改革」パートを起草した。
■なぜ日本では多くの病院が私的所有なのか
日本医療を他の国々と比べた特徴が、新型コロナウィルスの影響の下で注目を浴びている。日本の医療提供体制については、目下、改革が進められている。ここ数年展開されていた提供体制の改革の青写真が描かれていた『社会保障制度改革国民会議』(2013年)の報告書には、「医療問題の日本的特徴」という項目があり、次のように書かれている。
■医療問題の日本的特徴
日本の医療政策の難しさは……
【筆者紹介】権丈善一(けんじょう・よしかず) 慶應義塾大学商学部教授
専門は社会保障・経済政策とりわけ再分配政策の政治経済学。「社会保障制度改革国民会議報告書」(2013年8月)の「医療・介護分野の改革」パートを起草した。
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