厚生労働省は11月26日に開催した社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護給付費分科会で、見守りセンサーを導入した場合の夜勤職員配置加算について、すべての入所者に見守りセンサーを導入した場合、夜勤職員の最低基準に加えて配置する人員を0.5人とする新たな要件を設ける方針を示した。
また、現行の見守りセンサーの入所者に占める導入割合を10%に緩和するとともに、算定要件の適用を特別養護老人ホームとショートステイだけでなく、介護老人保健施設と介護医療院、グループホームにも拡大することを提案した。
現在は見守りセンサーを入所者の15%に設置した場合、夜勤職員の最低基準に加えて配置する人員を0.9人としている。新たな要件では、センサーの100%設置に加え、夜勤全員がインカムなどのICTを使用していることと、委員会の設置を含めた安全体制を確保している場合、配置人員数を緩和する。
安全体制の確保の具体的要件としては、安全・有効活用するための委員会の設置、職員に対する十分な休憩時間の確保などの勤務・雇用条件への配慮、緊急参集要員の確保など緊急時の体制整備などを挙げた。
要件緩和の根拠として、今年度の夜間の見守りセンサーの導入に関する実証で、導入割合が平均9.6%の場合、夜勤職員1人当たりの業務時間が5.7%減少したこと、導入割合と業務時間の相関式によって算出した数値では、導入割合が10%の場合、業務時間が6.7%減少すること、さらに導入割合が100%の場合には業務時間が26.2%減少する、との結果が得られたことが示された。
これに対し、賛成する委員がいた一方、実証に関して検証を行った施設数が少ないことや、センサーを導入しても対応するのは職員なので、人員配置を緩和することは逆に負担が大きくなる可能性があるなどの理由から、反対する委員が多かった。