フィリップス・ジャパンは在宅呼吸ケアに関わる医療従事者と患者をつなげる「eHomeCare(イー・ホームケア)呼吸管理プログラム」の販売を6月上旬に開始する。医療系スタートアップのインテグリティ・ヘルスケア(東京都中央区)と共同開発した。
遠隔モニタリング機能により患者の状態を継続して見える化するもので、様態変化のリスクが検出されると指定先に通知する。この見える化とリスクの早期検出により、医療従事者や関係者は、患者の様態変化を把握しながら安心して在宅呼吸ケアを継続できる。
在宅呼吸管理を受けている患者が測定したバイタルサインや問診内容を入力すると、そのデータが自動的にクラウドに蓄積され、医療従事者は必要に応じてそれを確認し、患者への連絡や早期介入が行える。
患者の様態のトレンドを遠隔で把握することにより、患者の様態変化に対して事前に臨床情報を把握でき、医療従事者は効率良くサポートできる。患者と患者家族はこの見える化によって、安心感を得ながらケアが受けられる。
トレンドデータだけでなく、バイタルサインの閾値を設定することで、許容しがたい変化があった場合、指定された先に通知する。通知の受信者は患者の様態変化リスクを早期に検出し、適切な対応を行うことで、患者の増悪や急な入院の予防が期待できる。
また、インテグリティ・ヘルスケアの疾患管理システム「YaDoc(ヤードック)」をベースにしたプログラムであるため、患者側はスマートフォンやタブレット(現時点ではeHomeCare機能はiOSアプリ限定)、医師側はPCを使い、診察の予約調整から実際のオンライン診察までが簡便に行える。
対面診療が難しい状況下でも、オンライン診察を活用することで、医療従事者のワークフローの改善と患者のQOL向上につなげることが見込まれる。