日常福祉合同会社は墨田区京島にある商店街「向島橘銀座商店街(通称:キラキラ橘商店街)」の2階建て約400㎡の昭和建築をフルリノベーションし、福祉から観光・まち・文化をつなぐ複合福祉施設「TACHIBANA TERMINAL─ 橘銀座多機能複合拠点」を開設した。
社会課題を価値に変える仕組みの構築を目指し、福祉のまちづくり・再生型観光・アートコミュニティといった領域を横断する活動を、同施設を拠点に展開する。5月からプレオープン期間として施設内の各スペースの営業を順次開始し、7月1日にグランドオープンする。
1️階には就労継続支援B型事業所「旅のワンダ」と展示・イベント・物販などの多目的オルタナティブスペース「京島劇場」、2階には同施設で働く障害者と世界の旅行者が交流する宿泊施設「HOSTEL 1つの風景」、誰でも使える工作室「京島共同凸工所」、旅人と住民が集う「あづまラウンジ」が入る。今後はこどものアートスタジオなども予定している。
旅のワンダでは、全国平均月額工賃1万7031円(2022年度)に対し、月額工賃5万円を実現することで、障碍者の生活の質向上を目指すとともに、障害者が社会の担い手として活躍できる環境づくりを進める。
京島共同凸工所は3Dプリンターなどのデジタル工作機械を備え、だれでも自由にものづくりが楽しめる。6月に京島3丁目から同施設内に移転し、リニューアルオープンする。制作サポートや地域連携も実施する。
同施設は日常福祉合同会社が進める「まちまるごと福祉」という地域づくりの中核拠点として整備した。この場所から京島周辺地域での障害福祉サービスの充実を図る。また、地域社会に存在するインフォーマルな福祉を可視化する装置としても機能させる方針だ。