〈医療と介護2040 管理者02〉の記事一覧
2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会🆕

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会🆕

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

鳥取で「Teladoc HEALTH」を活用した病病連携🆕

鳥取で「Teladoc HEALTH」を活用した病病連携🆕

 PHCホールディングス傘下のウィーメックス(東京都渋谷区)のリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」が、鳥取大学医学部付属病院(米子市)と安来市立病院が実施する病病連携で活用されることになった。試験運用が11月から始まり、来年4月からの本格運用を予定している。...

第64回 「100歳まで生きたいですか」を考えた🆕

第64回 「100歳まで生きたいですか」を考えた🆕

■「いいえ」が61%
 朝日新聞土曜版「be」に、毎回、読者モニターへのアンケートが掲載されている。9月27日付は「100歳まで生きたいですか」という設問であった。
 
 これに対して、「はい」は39%、「いいえ」が61%であった(回答者数は2476人)。「世論調査のような統計的意味はありません」という調査だが、この比率は、日本人の心情をある程度率直に反映しているのだろう。
 
 何かにつけ、人生100年時代と言われるようになった。2025年、100歳以上の人口は9万9763人(9月現在)と10万人に迫り、人生100年もあながち空想の世界ではない。であれば、100まで生きたい人のほうが多くてもよさそうだが、アンケート結果はそうではなかった。
 
 「いいえ」の人に「何歳で死ぬのが理想?」と尋ねていて、これに対しては「80歳代」が最多で57%。「90歳代」が21%、「70歳代」が16%となっている。
 
 さらに、「いいえ」「はい」の両方に「100歳になった時の社会保障制度は?」「100歳まで生きる自信は?」と問うている。社会保障については、「かなり心配」が40%で最多となり、「だいじょうぶと思う」は14%にとどまった。「自信」は「ない」が82%と圧倒的である。
 
 こうした回答を見ていると、常識的でとても納得できるし、興味深い。80歳代で死ぬのが理想、が最多なのは、70代では早いし90歳以上では介護や認知症が心配だから、80歳代、というところだろう。
 
 高齢者の状態には個人差がとても大きいから、90代でサッカーをする人もいるし、70代で要介護状態の人もいる。いたずらに長寿を目指すのではなく…

転落予兆検知するAI型ナースコールの提供開始

転落予兆検知するAI型ナースコールの提供開始

 スマートゲートは見守りシステム(ウェアセーフ v1)に、姿勢検知・転落予兆検知の機能などを追加した「WearSafe(ウェアセーフ)3」の提供を2026年1月から開始する。  AI姿勢検知アプリをカメラに直接搭載するエッジAI型のナースコールシステムとすることで、ベッドからの転落を未然に防ぐリアルタイム通知を実現した。...

訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く

訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く

 東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の2025年の倒産(負債1000万円以上)が11月末までに85件に達し、これまで最多だった23年67件、24年81件をすでに超え、3年連続で最多を更新した。  人手不足や24年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに加え、人件費やガソリン代、運営コストの上昇が要因と見込まれる。...

病院向け「miramos」の提供開始 コニカミノルタ

病院向け「miramos」の提供開始 コニカミノルタ

 コニカミノルタQOLソリューションズは、AI搭載シフト自動作成サービス「miramos(ミラモス)」の病院向け製品の提供を開始する。  miramosは、スマートフォンで収集したスタッフの希望休日や組み合わせ、夜勤などの勤務形態、人員基準や加算の要件など、複雑・多岐にわたる条件をもとに、特許出願中の技術を使い、AIがシフトを作成するクラウドサービス。...

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会

 第130回社会保障審議会介護保険部会が12月1日に開かれ、「持続可能性の確保」「論点ごとの議論の状況」などが議論された。
 
 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

コミュニティ型資源回収で要介護リスクが低下

コミュニティ型資源回収で要介護リスクが低下

 千葉大学予防医学センターの阿部紀之特任研究員らの研究チームが互助共助コミュニティ型資源回収ステーション(コミュニティ拠点)の利用と、高齢者の要介護リスクとの関連を検証したところ、コミュニティ拠点利用者は非利用者に比べ、要支援・要介護リスクが約15%低いことが明らかになった。...

賛否分かれる論点に進展なし 介護保険部会

賛否分かれる論点に進展なし 介護保険部会

 第129回社会保障審議会介護保険部会が11月20日に開かれ、「介護保険制度に関するその他の議題」「持続可能性の確保」などが議論された。
 
 「持続可能性の確保」の内容は
 
 ●1号保険料負担の在り方
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 ●軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方
 ●被保険者範囲・受給者範囲
 ●金融所得・金融資産の反映の在り方
 
 など、注目度が高い項目が多く、これまでも議論が続いてきたが、今回は事務局から具体的にどうするか、施策の方向は示されていない。
 
 ケアマネジメントに関する給付の在り方については、他サービスと同様に幅広い利用者に負担を求めること(ケアマネジメント有料化)や、その判断にあたって利用者の所得状況を考慮することをどう考えるか、住宅型有料老人ホームの入居者に係るケアマネジメントについて利用者負担を求めるか、などの論点が示された。

早期診断・早期対応へ 年間100件以上の認知症初期集中支援を実施 〔東京都世田谷区〕🆕

早期診断・早期対応へ 年間100件以上の認知症初期集中支援を実施 〔東京都世田谷区〕🆕

 軽度認知障害(MCI)から認知症への移行や認知症の進行を遅らせるには、認知症の疑いのある人、あるいは認知症の人に、早い段階で支援を行うことが重要だ。その取り組みを行うのが全国の自治体に設置されている「認知症初期集中支援チーム」である。東京23区内の年間支援数が自治体によってかなり差がある中、世田谷区では年間100件以上の支援を実施し、そうした人たちの早期診断・早期対応につなげている。
 
■区内28カ所のセンターに支援の窓口
 世田谷区の人口は今年4月1日現在約92万6000人で、65歳以上人口は約19万人。ただ、高齢化率は20.57%で全国平均の29.0%に比べれば低い。都心に近く、流出入率の高い20~30代の単身世帯が多いためだ。介護保険の要支援・要介護者数は4万2808人で、そのうち認知症高齢者数は2万5781人である。
 
 高齢化率は低いものの、いくつかの県を上回る人口の多さと、東京・多摩地域屈指の商業都市である立川市の全人口に匹敵する高齢者数に対応するため、世田谷区では区内を5つの地域に分けて総合支所を設け、さらに各地域を分割した28地区すべてに地区行政の窓口である「まちづくりセンター」を設置している。
 
 同センターの建物には「あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)」と社会福祉協議会の地区事務局も入っており、3者が連携して区民の困りごとなどに対応してきた。2022年度からは、この3者に児童館が加わり「毎月開催する4者連携会議で地区の課題を把握・共有し、地域包括ケア地区展開として地域づくりを行っている」(世田谷区高齢福祉部介護予防・地域支援課課長の横尾拓哉さん)。
 
 この連携は認知症初期集中支援チームの活動にも貢献している。同課係長の北畠たまみさんによると「例えば、まちづくりセンターのミニコミ誌作成の委員だった人が日時や会場を頻繁に間違えるようになったとか、社協のサロンに定期的に参加していた人が会場までたどり着けなくなったとか、帰り道で迷うようになった」などまちづくりセンターや社会福祉協議会の活動で気になった情報をあんしんすこやかセンターに伝えることで、初期集中支援の対象者の発掘につながる」からだ。
 
■認知症初期集中支援事業
 認知症初期集中支援事業は国の「認知症施策5カ年計画(オレンジプラン、2013~17年度)」で打ち出され、制度化に向け13年度から全国の14自治体でモデル事業を開始した。世田谷区は東京都で唯一の自治体として参画し、モデル事業の段階から国と連携して取り組んできた。
 
 同事業では、在宅で生活している概ね40歳以上の認知症の人(疑いを含む)と家族を対象に、認知症初期集中支援チームが原則6カ月間、定期的に家庭を訪問する。
 
 この間に、認知症に関する正しい情報を提供したり、認知症の進行や介護に関する心理的負担の軽減を図ったり、適切な医療や介護サービスにつなげたりすることで…

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