データ解析企業のFRONTEOは、同社にとって2つ目のAI医療機器となる「骨折スクリーニングAIプログラム」の開発を始めた。
独自開発の自然言語処理AIエンジン「Concept Encoder(商標:conceptencoder=コンセプトエンコーダー)」の技術を活用し、入院患者の電子カルテに記載された医療情報から、院内で骨折する可能性のある患者をスクリーニングする。
特に、高齢者にとって骨折は寝たきり状態や認知症の進行だけでなく、死亡にもつながる重大なリスクであることから、開発することにした。
1月に東京都から第一種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器の技術開発・製品開発・臨床開発・製造・販売のプロセスを自社で行える体制を構築。現在、世界初の言語系AI医療機器の薬事承認取得を目指し、「会話型認知症診断支援AIシステム」の臨床試験を4月から行っている。
これはコンセプトエンコーダーを利用し、患者と医師との間の5〜10分程度の日常会話から、認知機能障害をスクリーニングできるシステム。認知症対策に加え、遠隔医療を始めとするデジタル医療の進展や医療の効率化・標準化などへの貢献が考えられる。
同システムの医療現場への早期実用化・市場浸透を目指し、昨年6月に共和薬品工業と事業提携契約を締結した。
FRONTEOは今回の骨折スクリーニングAIプログラムに続き、今後もさらなるAI医療機器の開発を行っていく方針だ。