日本財団は2月24日、東京都内の高齢者福祉施設などの職員を対象にした無料PCR検査の受け付けを開始した。
申し込みは施設単位で、高齢者施設から日本財団公式サイトhttps://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/2020corona/PCR-centerまたはQRコードを通じて申し込む。検査回数は施設ごとに週1回程度を上限とする。
申し込み完了後、検査キットを各地の配送拠点で受け渡す。高齢者施設で検体(唾液)を採取し、キットを受け取った配送拠点で検体を提出する。その後、各施設へ検査結果を通知して、陽性者がいた場合は、提携医療機関などへの受診に繋げるとともに、濃厚接触者への検査を実施する。
当初の対象施設は、東京都内の介護医療院、養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護、有料老人ホーム、軽費老人ホーム、介護療養型医療施設の約2500施設。東京から受け付けを開始し、埼玉・千葉・神奈川の各県にも拡大する予定である。
検査件数は約5000件/日。段階的に増強し、最大2万件/日、延べ約360万件を想定している。期間は8月31日まで。
高齢者施設では企業・飲食店に次いでクラスターが発生している。その背景には、高齢者施設従事者は入所者と高密度で接する機会が多いにもかかわらず、医療機関などと比べて新型コロナ対策の知識や経験が乏しいことがあるという。また、自身が感染・媒介することへの不安を感じながら勤務しているという課題もある。
そこで、日本財団では高齢者施設従事者が定期的・高頻度でPCR検査を受けることで、安心して職務に取り組めるようにすることと、高齢者の命を守ることを目的に、無料のPCR検査事業を実施することにした。
検査申し込みに関する問い合わせは、日本財団PCR検査センターまで。電話:050-1741-4180、FAX:03-5323-0267、E-mail:corona-testcenter-nf@kinoshita-group.co.jp1、受付時間は午前10時から午後6時まで。
なお、1月の発表では、検体を船の科学館の敷地に集約して検査を行う計画だったが、コストや効率性の観点から、当面は実績のある木下グループのラボで検査を行うことに変更した。
木下グループは木下工務店、木下不動産、木下のリフォーム、木下抗菌サービス、医療法人社団和光会など、グループ内の事業ノウハウを結集し、「木下グループ新型コロナPCR検査センター」を運営している。
同センターは、昨年12月に新橋・新宿、今年2月に渋谷・秋葉原・池袋に開業、店舗型と企業団体向けの集配式検査を併せて、1万3000件強/日のPCR検査を行っている。