繊維専門商社のヤギ(大阪市中央区)は、洗って繰り返し使える感染予防用隔離ガウン「EITORE for Medical Reusable Gown(仮称)」=写真=を3月から販売する。
素材を同社のグループ会社であるヤギUSAとやまぎん(大阪市中央区)が共同開発し、東レと東レグループで生産した2種類の生地を使用。日本の縫製技術を活用することで、50回の洗濯後でもAAMI(アメリカ医療機器振興協会)規格level2の基準をクリアした。
また、可能な限り縫製を簡単にするために裁断パーツを工夫し、多くの縫製工場で縫製できるように企画した。これにより、国内外でスペースの余っている縫製工場の救済にもつなげることができる。
2種類の素材のうち、1つは生機(きばた)、染め、加工のすべてを東レが日本国内で生産したもので、月産で最大約90万着(初回生産は1万2000着)のキャパシティがある。もう1つは生機、染め、加工のすべてをアセアンの東レグループで生産しており、より縫製がしやすい中肉の綿混素材を採用した。月産のキャパシティは最大約150万着(初回生産は60万着)。
この製品が医療機関などで使われることにより、使い捨てガウンのごみ問題の解決に役立ち、繰り返しの使用が可能なことで医療機関のコスト削減にも貢献する。今後は原料となるポリエステル素材をリサイクルポリエステルに変更していくことを視野に入れ、より環境負荷を意識した医療用ガウンを開発していくことを考えている。