飲める口腔ケア製品をJAXAが選定 トライフ

2021年 1月 7日

 トライフ(横浜市中区)は1月7日、飲める成分の口腔ケア製品「オーラルピース」=写真=が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の国際宇宙ステーション(ISS)への搭載候補品として選定(内定)されたと発表した。

 オーラルピースは口腔内のトラブル原因菌への優れた殺菌効果がありながら、飲み込んでも安全な乳酸菌ペプチド特許製剤「ネオナイシン- e」配合の口腔ケア製品である。

オーラルピース

 口腔ケアが困難な人に対し、体内吸収しても安全な成分で、負担なく行いたいという医療・介護現場のニーズに応え、九州大学などとの10年以上の研究期間を経て2013年に開発した。世界最先端の菌で菌を制す、乳酸菌抗菌ペプチド・バイオテクノロジー研究がベースになっている。

 高齢者介護コストを引き下げるとともに、全国の障害者が事業に携わり仕事と収入を創出する取り組みを行っていることで、横浜ビジネスグランプリ最優秀賞・ジャパンベンチャーアワード最優秀賞・日本農芸科学技術賞・グッドデザイン賞など、さまざまな賞を受賞している。

 飲み込んでも安全で、水がなくても使えること、生分解性が高く環境に優しいといった特徴から、要介護高齢者や闘病者・障害者にとどまらず、水の使用が限られる災害被災地や登山などのアウトドア、乳幼児やペット、妊婦などへの有用性が評価され、欧州・米国・オセアニア・アジアをはじめ世界中に輸出している。

 また、熊本大震災以降、被災地支援活動を積極的に行い、新型コロナ禍では、横浜港に停泊していたダイヤモンドプリンセス号や横浜市の障害者入所施設に対し、口腔衛生による重症化回避のため、製品の無償提供支援活動を行っている。

 今回はJAXAが推進する「宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」に、昨年7月に応募。オーラルピースの研究成果・革新的技術が、水の使用の限られる宇宙生活で、宇宙飛行士のQOL向上などに寄与すると評価されて選定された。

 障害者の携わる製品が宇宙で活用されれば、世界の障害者や家族に希望をもたらすことにもなる。今後、安全性・適合性・宇宙飛行士によるフィットチェックを行いながら、搭載への準備を進めていく計画だ。

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 「ベストタイプ」と「ベルトタイプ」の2種類あり、体の状態に合わせて利用する。ベストタイプはベストのように着用し、前面(胸側)にあるバックルを締める。ベルトを座席の後ろで交差させた後、前面で面ファスナーを留める。腕を通すことが難しい場合には、左右別々にして、片方ずつ着用することもできる。

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