千葉県香取市と茨城県稲敷市で民間患者搬送・在宅介護支援を行っている水郷エスコートは、香取市を中心に移動スーパー事業の試験運行を10月16日から開始する。
ヘルパーが移動スーパー車両で利用者宅に行き、訪問介護を行う別のヘルパーと一緒に利用者に商品を選んでもらう。訪問介護の生活支援を使った新しいサービスとして、来年4月からの本格運行を目指す。
通常、訪問介護での買い物は生活援助3での対応がメインだが、このサービスではスーパーが直接利用者宅に行くため、生活援助2でサービスを提供でき、公費の削減と利用者の費用負担の軽減が見込まれる。利用者が自分で見て選ぶことにより、認知症予防などにつながることも期待される。
移動の困難な人や介護施設などに登録してもらい、毎週決まった時間に訪問する。移動販売以外に100円・500円のワンコイン生活サービスも提供する。着替えの手伝いやゴミ出し、重量物の移動など、生活や介護の困りごとも移動スーパーが来た時に頼むことができる。商品は仕入れ価格の据え置きを目指し、コンビニ程度の値段で販売する。
前例のない取り組みであることから難色を示す自治体があるほか、地域ボランティアの一環として行うことから運営が厳しいという課題はあるが、運営法人は自治体への理解と周知に努めることや、移動スーパー車両への民間企業の広告、商品仕入先などの確保に力を入れることで、事業を確かなものとする考えだ。