メドピアはかかりつけ薬局化支援サービス「kakari」の新機能として、トレーシングレポート作成支援機能を追加した。
これにより、薬剤師はkakariの服薬フォロー支援機能で聴取した、患者からの服薬状況や副作用・体調変化などの情報を基に、トレーシングレポート(服薬情報提供書)を作成することができるようになる。
昨年12月4日に公布された改正医薬品医療機器等法(薬機法)で、患者に対し「服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導」(服薬フォロー)を行うことが薬局・薬剤師の新たな義務として定められ、今年9月1日に施行されることが決定した。
これは、厚生労働省が2015年に策定した「患者のための薬局ビジョン」で、薬局が目指す姿として示された「対物業務から対人業務へ」の転換を推進する改定であり、今後の薬局・薬剤師のあり方に大きな影響を与えることが見込まれる。
また、医師が患者の服薬情報を把握することは重要で、薬局・薬剤師には患者に対する情報提供だけでなく、医師が医薬品を適正に処方するために必要な患者情報の提供を行うことが求められている。
トレーシングレポートはこの情報提供の際に薬剤師が作成する書類で、調剤報酬上も「服薬情報等提供料」として従来から評価されている。また、今年の診療報酬改定で「地域支援体制加算」の算定要件の1つに「服薬情報等提供料」の数値目標が定められている。
新機能により、kakariは患者の服用期間中の継続的な服薬フォローに加え、処方医・かかりつけ医への情報提供を通した薬物治療の最適化を推進することで、かかりつけ薬局が地域医療の中で果たす役割をサポートする。
今後は、あらかじめ登録した医療機関情報の転記や、病院毎に定められた様式に準拠したトレーシングレポートの作成を支援する機能も順次追加していく予定だ。