「令和7年度 介護職員の働きやすい職場環境づくり内閣総理大臣表彰及び厚生労働大臣表彰」の最高賞である内閣総理大臣表彰に茨城県の「特別養護老人ホームもくせい」と神奈川県の居宅介護支援事業所「トライドケアマネジメント」が選ばれた。
もくせいはシートセンサー型見守り機器を再活用したことや、男性職員の育児休暇と外国人職員の長期休暇の取得を可能にしたことがなどが評価された。
シートセンサー型見守り機器は全床に導入していたが活用していなかった。そこで機器の活用に取り組み、巡視時の訪室回数を減らすとともに、夜間の定時介助(排泄介助)を廃止した。また、夜間帯業務の効率化を進め、実績を積み重ねて職員の理解を得ることで、宿直業務の廃止に成功した。
男性の育児休暇については、希望する男性職員の育児休暇を早めに把握するように努め、現場にも説明して理解を得て制度の活用を促した。外国人職員の長期休暇に関しては、現場に周知し協力を要請して調整した。
トライドケアマネジメントはデータ連携の利用や、事務員がケアマネの業務を代行することで業務の効率化などを実現した。
ケアプランデータ連携システムでは、導入前から毎週の会議で職員にメリットを説明したほか、事業者への周知活動などを実施。連携事業者数が35事業所になったことで、提供票を月2100枚から1350枚に、ファックスに要する時間も同4.75時間から2.75時間へと削減した。
事務員のケアマネ業務代行では、事務員がケアマネジメントプロセスを学ぶ勉強会を実施し、ケアマネと事務員の役割分担を明確化してケアマネが本来業務に専念できるようにした。プラン件数の増加が見込めたことから、賃上げも可能になり、有休の取得率も前年の74%から83%に向上させた。