パナ デジタル・ケアマネジメントの効果を確認

2020年 3月 26日

 パナソニックはIoTモニタリングなどを使った在宅高齢者向け「デジタル・ケアマネジメント」の効果検証を行い、本人と家族のQOL向上に効果があることを国内で初めて確認した。

 同社はデジタル・ケアマネジメントの実用化を目指し、ケアマネジャー向けにケアプラン作成機能とIoTモニタリング機能を持つソフトウェアを開発。宮崎県都城市、宮崎県介護支援専門員協会都城・北諸県支部(都城市ケアマネ協会)、都城市北諸県郡医師会と共同で、201910月から3カ月間、効果検証を実施した。

 検証では、在宅高齢者向けのケアマネジメントの質向上を狙い、都城市ケアマネ協会との連携により、同市在住の要介護高齢者4人を対象に、ケアマネの実際の業務でデジタル・ケアマネジメントの機能を活用した。その結果、4事例全てで「本人状態が改善傾向」という評価が得られた。

 4事例のうち、脳血管疾患・脳血管性認知症で要介護184歳の人(夫婦同居)の場合、排泄トラブル解消により介護負担が軽減。地域の医療介護の専門職種代表者とケアマネ(18人)による実証3カ月後の状態に対する評価で、本人・家族のQOLについて全員が「改善傾向」と評価した。

 検証により、自立支援・重度化防止に向けた適切なケアプランと、生活実態を正確に把握するIoTモニタリングを組み合わせることによって、ケアマネジメントの質が向上する可能性が示された。

 今後は検証で得た実践的な知見を、パナソニックが進めるヘルスケア・プラットフォームの構築に活かし、高齢者と家族のQOL向上につなげる。さらに、医療費・介護給付費の適正化や医療介護連携の促進という、地方自治体の抱える課題解決に役立てていく。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

沖縄で観光客向けの夜間・休日診療の実証事業🆕

 MRT(東京都渋谷区)は30以上の企業・団体と連携し、リゾートホテルが集中する沖縄県恩納村で観光客向けに夜間・休日対応の医療サービスに関する実証事業を行う。  看護師が医療機器(12誘導心電図計・パルスオキシメーター・聴診器・血圧計など)を積んだ車両「ぬちまーす号」に乗って観光客の滞在先へ行き、オンラインによる医師の指示のもと、バイタルの測定などを行う。  実証事業では看護師が患者のそばにいながらのオンライン診療からオンライン服薬指導、さらには処方薬の配送に至るまで、医療に関する一連の流れを検証する。...

非常用トイレ袋「くるくるトイレ」の携帯用発売🆕

 三和製作所(東京都江戸川区)は、発刊している防災・防犯カタログ「LIFEZACK(ライフザック)」掲載の非常用トイレ袋「くるくるトイレ」シリーズから、気軽に携帯できる薄型の「くるくるトイレ フラットプラス 3枚入+防臭袋付」をECサイト「ライフザック」で発売した。価格は税込み(以下同)825円。
 
 持ち運びに便利な薄型設計で、トイレ袋をフラットに折りたたんだ3枚入り。トイレ袋には吸水シートがセットされている。500m㎖の水分を吸収する吸水シートが排泄物をすぐにジェル化する。ひも付きの防臭袋で…

高齢者見守りシステムと音声ツールが連携

 エコナビスタ(東京都千代田区)のSaaS型高齢者見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」と、BONX(東京都中央区)の現場コミュニケーションシステムの「BONX WORK(ボンクス・ワーク)」が機能連携した。  ライフリズムナビ+Dr.が発報する各種アラート通知が、BONX WORKを通じて介護スタッフの耳に届く。これにより介護スタッフがアラートの内容を迅速に共有できるようになるとともに、インカムを介したコミュニケーションによって、その後の対応を迅速に実施することが可能になった。...

入退院調整クラウドサービスの導入が2000件突破

 3Sunny(東京都中央区)が提供する医療機関向け業務支援SaaS「CAREBOOK(ケアブック)」の導入件数が2000件を突破した。  CAREBOOKはオンラインでの病院の入退院調整業務を可能にするクラウドサービス。各患者の退院調整の状況把握やタスク管理、必要な集計やレポートの自動出力ができる。  転院先・訪問診療・看護などの検索、打診先の病院へのキャンセルの一括通知、入退院調整に必要な診療情報提供書などの書類データを添付して打診先に送ることも可能だ。...

昨年発売の「ころやわマットセンサー」を改良

 Magic Shields(静岡県浜松市)は、昨年10月に発売した離床センサーに衝撃吸収性と歩行快適性のあるベッドサイドマットが1つになった新製品「ころやわマットセンサー」無線タイプの発信機の位置を変更してより壊れにくくなったと発表した。
 
 ころやわマットセンサーは患者‧利用者の離床を、内蔵したセンサーシートとナースコールとの連携により重量がかかることで報知して予防する。
 
 いすやベッドからの転落、車いすへの移乗、歩行からの転倒時などには大きく沈み込み…

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(1月27日-2月2日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS