福島県郡山市と東京大学医学部発のスタートアップACCELStars(アクセルスターズ、福岡県久留米市)は、睡眠データが健康・医療・介護に寄与する影響を明らかにすることを目指し、協定書を締結した。
市職員に同社が開発している睡眠測定ウェアラブルデバイス=写真=を提供し、被験者の睡眠・健康・医療データを計測するなど睡眠健診を行う。
同社は睡眠と健康・疾患の関係性を検証するため、被験者の睡眠・健康・医療データを活用した解析を行い、個別の情報を提供する。
実証実験では他社製のデバイスを使用するが、来年春に睡眠健診の提供を開始する際には自社デバイスとなる予定だ。
厚生労働省の研究班の発表によると、日本人の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と回答している。
加齢とともに不眠は増加し、60歳以上では約3人に1人が睡眠問題で悩んでいる。そのため通院している人の20人に1人が不眠のため睡眠薬を服用している。
睡眠時間には個人差があり、7時間程度で十分という人もいれば、3時間ほどの睡眠で間に合っている人もいる。10時間は眠らないと寝足りない人もいる。健康な人でも年齢とともに中途覚醒や早朝覚醒が増えてくるという。
ACCELStarsは「睡眠を解明し、新たな医療を創造する」というビジョンの下、2020年8月に東大大学院医学系研究科の上田泰己教授が会社を設立した。
統合失調症やうつ病、双極性障害、パーキンソン病、認知症、ADHDなど精神疾患・神経変性疾患・発達障害は、睡眠障害を併発する疾患であることから、これらの疾患の治療サポートサービスを提供する。