長野県松本市・中部電力・ネコリコ・JDSCは、電力使用実績データを活用したフレイル検知の実証実施に関する協定を締結し、5月から100世帯を対象に実証を開始する。
中電など3社が三重県東員町などで開発した電力データとAIによるフレイル検知技術を活用し、フレイルと推定される高齢者を早期かつ網羅的に把握することで、松本市職員が予防改善のための適切な働きかけを行うことを目指す。
実証は5月上旬からモニター募集を開始し、5月中旬から来年3月末まで、「フレイル予防モデル地区」の6地区で参加に同意した、一人暮らし高齢者100世帯を対象に実施する。
各世帯の電気の使用量をAIで分析し、フレイルと推定される高齢者を抽出する。その結果を松本市に知らせることで、フレイルを早期に発見して適切な予防改善活動につなげる。
松本市は2013年に健康寿命延伸都市宣言を行い、市民一人ひとりの命と暮らしを尊重するまちづくりを進めている。昨年策定した「第11次基本計画」の中でも、データに基づいた健康づくりや、フレイル予防の推進を掲げている。
また、今年度から和田・新村・波田・梓川・安曇・奈川地区6地区をフレイル予防モデル地区に指定し、国の実証への参加や、医療と連携したフレイル予防などに取り組んでいる。
一方、コロナ禍により職員による訪問や、フレイル予防講座などによる高齢者との接点の維持が難しくなったことで、介護予防事業で重要となるフレイルの早期・網羅的な把握や予防改善の働きかけが困難となっていた。
4者はフレイルリスクの高い高齢者を早期に検知することにより、市民の健康増進を図りながら医療費や介護給付費の抑制を目指していく。