自宅でできる認知機能トレ開発 臨床研究開始

2022年 1月 5日

 大阪精神医療センターとAI ロボットベンチャーのハタプロ(京都市)は、「AI ロボットを用いた新しい認知機能トレーニング法」を開発し、認知機能改善の有効性を確かめるため、同センターの研究協力者を対象に臨床研究を開始した。

認知機能トレーニングロボ02

AIロボット(右)と専用モニター

 両者は「認知症患者の認知機能改善に有効な新規タスクの研究開発」を共同で行っており、同研究の一環として実施する。

 このトレーニング法は、自宅で継続的に注意力や判断力、遂行機能、言語機能などの認知機能トレーニング課題に取り組める内容となっている。

 AI ロボットを自宅に設置したあとは、トレーニングのタイミングになるとAI ロボットが自動で呼びかけて取り組みを促し、利用者の回答内容によって認知機能トレーニング課題の難易度を変更するなど、医療従事者の役割を担う。

 使用するAI ロボットは、認知機能トレーニング課題を音声で読み上げると同時に、連携する専用タブレットアプリ画面にイラストやテキストなどを表示する。利用者は画面操作だけでなく対話で回答することもでき、デジタルが苦手な高齢者にも最適化している。

 この研究により、個人の認知機能の個別性に合わせた効果的な認知機能維持・改善トレーニングを、人的労力をかけずに持続的に実施できるシステムを構築し、健康寿命の延伸や認知症に伴う社会負担の軽減につながることを目指す。

 軽度認知機能低下や認知症の患者に関しては、適切な認知機能改善トレーニングによる介入を実施することで、認知機能の維持や改善が認められているという。

 また、これらの介入は被験者の日常生活の中で、継続的に実施できる自宅などで行うことが適切と考えられているが、医療従事者らが毎回これらのトレーニングに関与することは人的リソースの面で困難である。

 そこで、自宅で継続的に認知機能改善トレーニングを実施することができるツールとして今回のトレーニング法を開発することにした。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

プライバシー配慮の見守りシステム提供 富士通🆕

 富士通はカメラを使わず、ミリ波レーダーでプライバシーを保護しながら高度な見守りを実現する「ミリ波レーダ見守りシステム」の提供を開始した。介護施設やサ高住の居室、バリアフリートイレなど、プライバシー保護の観点からカメラ設置が難しい空間で利用者の安全を見守る。...

心疾患向けアプリがマイナポータル連携を開始🆕

 医療・ヘルスケア分野のアプリなどを開発するキュアコード(富山市)は、三重大学と共同開発を進める心疾患・心不全患者向けスマートフォンアプリ「ハートサイン」に、マイナポータルとの連携機能を追加した。  この機能により、ユーザーは自身の医療・健康情報をハートサイン内に自動で取り込むことができ、個人の健康管理と医療サポートがより効率的・高度に行えるようになる。...

“ホスピスホーム”分析レポート発行 タムラP🆕

 高齢者住宅のデータベースとコンサルティングを提供するタムラプランニングアンドオペレーティング(田村明孝社長)は、ホスピスホーム(同社は「緩和ケアホーム」と呼称)の実情に関する分析レポートを今月発行した。
 
 近年、入院期間短縮が促進され、医療機関以外の場所への訪問看護サービス需要が増大している。訪問看護の報酬は介護保険か医療保険から給付され(下図)、要介護・要支援認定者は介護保険が優先する。
 
 要介護・要支援認定者が医療保険で訪問看護サービスを受けるには、特定の病気・状態(末期がんや人工呼吸器使用など)に該当し主治医の指示が必要だ。

機内で座位姿勢を支えるベルトを共同開発

 ダイヤ工業(岡山市)と日本航空は、座位保持が困難な人や補助を必要とする人の座位姿勢をサポートするサポートベルトを共同開発し、運用を開始した。体幹を保つことができない人でも、この製品を装着することで座位姿勢を固定でき、空の旅を快適に過ごすことができる。
 
 座席のシートベルトを着用した状態で、上半身を座席に固定する。特に、身体が不自由な人や病気・ケガなどの理由により座位を保つことが困難で、補助が必要な人を対象としている。
 
 「ベストタイプ」と「ベルトタイプ」の2種類あり、体の状態に合わせて利用する。ベストタイプはベストのように着用し、前面(胸側)にあるバックルを締める。ベルトを座席の後ろで交差させた後、前面で面ファスナーを留める。腕を通すことが難しい場合には、左右別々にして、片方ずつ着用することもできる。

病院と患者をつなぐアプリの提供開始 ユカリア

 ユカリアは病院と患者のコミュニケーションを支援する、AIを活用したアプリ「ユカリアメルジュ」のサービス提供を開始した。  外来・入院・退院後の各シーンで患者・家族と病院をつなぎ、情報提供や各種説明をサポートすることで、医療従事者の負担軽減と患者の理解促進を目指す。  主な機能にはワクチンや検診の案内、治療内容の説明、術後のリハビリやセルフケアの方法の提供が含まれる。初診後すぐに案内を行い、入院前や退院後のフォローアップを行うことで、患者の治療体験を向上させる。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(6月23-29日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS