東京商工リサーチによると、2025年上半期(1-6月)の訪問介護の倒産が45件(前年同期比12.5%増)となり、2年連続で過去最多を更新した。
これまで倒産は小・零細事業者が大半だったが、従業員10人以上が9件(同125.0%増)、負債1億円以上が6件(同100.0%増)、資本金1000万円以上が6件(同100.0%増)と中小・中堅規模に倒産が広がっていることが分かった。
地域別でみると、倒産が増加したのは北海道3件(前年同期比50.0%増)、関東14件(同55.5%増)、中部5件(同150.0%増)、九州6件(同50.0%増)の4地区。一方、東北、北陸、近畿、中国、四国など九州を除く西日本を中心に減少した。
訪問介護事業者の倒産は年間100件に迫るペースで増えている。これに対し、品川区は独自の支援を開始した。国も小規模事業者への加算要件を緩和するものの、売上の不振に加え、ヘルパー不足、ガソリン代高騰、人件費上昇などの運営コストの上昇に歯止めがかからず、収益改善は難しい状況が続いている。
介護報酬の削減やコスト増で採算が悪化する中でも、中小・零細規模の事業者は地域の訪問介護を支えてきたが、経営悪化から倒産や廃業は増え続けており、国や自治体の支援強化が必要となっている。