厚生労働省が昨年6月に実施した「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害者数は110 万7000 人で、前回調査に比べて25万6000人増加(2018年度は85万1000 人)し、全体的に障害者雇用は着実に進展していることが分かった。
内訳は身体障害者が52万6,000 人(同42万3000 人)、 知的障害者が27万5000人 (同18万9000人)、精神障害者が21万5000人(同20万人)、発達障害者が9万1000人(同3万9000 人)で、いずれも前回調査を上回った。
また、平均勤続年数も身体障害者が12年2カ月(前回は10年2カ月)、知的障害者が9年1カ月(同7年5カ月)、精神障害者が5年3カ月(同3年2カ月)、発達障害者が5年1カ月(同3年4カ月)で、すべての障害種別で前回調査を上回っている。
調査は常用労働者5人以上を雇用する民営事業所のうち、無作為に抽出した9400事業所を対象とし、回収数は6406事業所(回収率67.9%)だった。分析で得られた数字はすべて推計値となっている。
雇用状況を身体障害者と精神障害者で比べると、産業別の割合では、身体障害者は製造業と卸・小売業がそれぞれ約2割なのに対し、精神障害者では卸・小売業が25.8%、製造業が15.4%だった。
企業規模別ではいずれも1000人以上が最も多く、次いで100~499人、30~99 人の順だった。
雇用形態別では、身体障害者は無期契約の正社員が53.2%、有期契約の正社員が6.1%と、正社員が6割近くを占めたのに対し、精神障害者では無期契約の正社員は29.5%、有期契約の正社員が3.2%で正社員は3割程度。
1カ月の平均賃金についても、身体障害者が23万5千円だったのに比べ、精神障害者は14 万9千円にとどまっている。