第9回 武蔵野市がケアマネジャーを大切にしている理由

2023年 9月 1日

■武蔵野市ケアマネジャーガイドライン
 2000年(平成12年)4月、介護保険制度がスタートし、介護保険サービスの提供が始まった。これに備えて同年3月までに準備要介護認定を終え、認定者にケアプランを作成した(第8回参照)。ケアプランをつくる介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険制度とともに創設された新しい資格職だ。
 
 新しくできたケアマネジャーという専門職は、ニーズとサービス提供、すなわち需要と供給をマネジメントします。社会保険で運営する以上、要介護高齢者の要望や事業者の思惑を全部受け入れてサービスを提供することはできません。逆に、必要なサービスが提供されないこともあってはなりません。
 
 ケアマネジャーには、それら全体を見渡して利用者に最適なケアプランをつくる能力が求められます。ケアプランはサービス提供の設計図であり…
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第15回 制度見直しに向けたフォーラム開催🆕

 介護保険制度が始まっておよそ1年半後の2001年11月8~9日、武蔵野市は「介護保険フォーラムin武蔵野 介護保険制度の検証と改革を……」を開催した。主催は武蔵野市で、全国市長会が後援した。
 
■保険者が現場から声を上げる
 全国市長会の後援をいただいたこともあって、全国各地の市町村長、自治体の実務担当者、学識経験者、サービス事業者、市民など大勢参加してくださいました。
 
 事前に開催案内したところ600人以上の参加希望があって、会場である武蔵野公会堂のキャパを大幅に超えてしまいました。急遽、近くのホテルも借り、それでも参加希望者全員は収容できないので、抽選で465人に絞って開催しました。
 
 介護保険という全く新しい制度が導入され、しかも市町村は保険者、いわば制度運営者です。市町村はみんな、準備段階から大変な思いをしてきて、いざ始まったという高揚感というか、熱いものがあったと思います。スタートから2年目ともなると…

第14回 医療と介護の連携は介護保険創設前から

 2015年度(平成27年度)には、介護保険法に「在宅医療・介護連携推進事業」が市町村事業として定められ、18年度以降はすべての市町村がこの事業に取り組んでいる。要介護高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるために医療と介護の連携が不可欠であることは、今ではほとんど常識だが、武蔵野市の医療介護連携は、介護保険の開始からまもない時期に始まっていたという。
 
■ケアマネジャーが主治医と情報共有するために
 武蔵野市における医療と介護の連携の歴史は、ケアマネジャーとの関わりから始まったといえます。
 
 連載第9回で、武蔵野市がケアマネジャーを大切にしていることをお話ししました。武蔵野市は1999年度(平成11年度)に武蔵野市居宅介護支援事業者連絡協議会を立ち上げて、ケアマネジャー研修会を定期的に開催したり、情報公開や質疑応答などを実施したりしていました。
 
 そして2000年度の介護保険スタートと同時に「武蔵野市ケアマネジャーガイドライン」作成に着手し、01年3月にその第1版が完成したわけです。当時から、介護保険サービスを適切に提供する要はケアマネジャーであり…

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第13回 外出を後押しする移送サービス「レモンキャブ」

 テンミリオンハウスと並ぶ武蔵野市の独自事業「レモンキャブ」は、高齢者などを目的地に送る移動・移送支援サービスだ。その誕生には「ムーバス」が関わっていた、と笹井さんは説明する。
 
 レモンキャブのことをお話しする前に、ムーバスについてちょっと説明しておきたいと思います。ムーバスは、日本初のコミュニティバスとして1995年(平成7年)11月に運行開始しました。福祉部局でなく交通部局の事業です。
 
高齢女性からの手紙がきっかけだったコミュニティバス
 ムーバス事業を始めた最初のきっかけは、その5年前に当時の土屋市長あてに届いた市民からの手紙です。差出人は吉祥寺に住む高齢女性で…

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第12回 市民が主役の生活支援「テンミリオンハウス」

 武蔵野市の高齢者施策は、介護保険財源によらず一般財源に基づく独自事業も多彩だ。総合的な生活支援の「テンミリオンハウス」や移動・移送支援の「レモンキャブ」がその代表である。今回はテンミリオンハウスについて聞いた。
 
■認定で「非該当」となる人への新たなサービス
 テンミリオンハウスが誕生したきっかけは、介護保険制度導入に際して実施した、要介護認定モデル事業(連載第4~6回を参照)です。
 
 要介護認定のモデル事業は、当時のデイサービスやホームヘルプサービスを利用している方を対象に実施したわけです。当時、これらは措置制度に基づく行政サービスで、武蔵野市では予防的な方…

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第11回 介護保険条例と高齢者福祉総合条例の両輪で

高齢者福祉総合条例はまちづくりの目標
 市町村は介護保険の事務のうち、介護認定審査会の委員定数、第1号被保険者の保険料率、普通徴収の保険料の納期、などについて条例を定める必要がある。「地域の実情に応じて」運営するためだ。したがってどの保険者も「介護保険条例」を定めている。
 
 介護保険条例というのは、全国の自治体に2000年(平成12年)4月までに制定するよう課されました。中身は基本的に、厚生省から出されたモデル条例案に準ずる形です。武蔵野市では介護保険施行直前、2000年3月議会に上程されました。
 
 どの自治体もモデルに準じた条例を作りましたが、武蔵野市は介護保険条例と同時に、独自の「高齢者福祉総合条例」を制定しました。介護保険制度だけでは、高齢者介護の一部分しか担えません。支え合いの仕組みやまちづくりを含めた…

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