第9回 コロナ患者はかかりつけ医が診るべきだ

2021年 3月 2日

■無症状・軽症高齢者は入院の必要なし
 日本在宅ケアアライアンスは昨年、新型コロナウイルス感染症の拡大に際し、「行動方針」を4月に、「対処方針」を6月に発表した。当時、陽性者は入院することとされていたので、陽性者を在宅で実際に診ることは想定していなかった。
 夏が過ぎて秋になり、11月以降、新規感染者の増加傾向が強まり始めた。厚労省は11月22日の「事務連絡」で、「病床確保や都道府県全体の入院調整に最大限努力したうえで、なお、病床がひっ迫する場合」と条件をつけ、以下のように通知した。
 「入院勧告等ができるとしている者のうち、医師が入院の必要がないと判断し、かつ、宿泊療養施設(適切な場合は自宅療養)において丁寧な健康観察を行うことができる場合には……
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第30回 かかりつけ医は誰に必要なのか

■広辞苑の変化に注目
 広辞苑の「医療」の項目をご覧になったことはあるだろうか。広辞苑で「医療」がどう定義されているか、現在発売されている第七版(2018年)と、その1つ前の第六版(2008年)を比べてみた。その変化はとても興味深い。
 第六版では、医療とは「医術で病気をなおすこと。療治。治療。」とあるのみで、この次には「医療過誤」「医療技術短期大学」が出てくる。それが、第七版では「①医術で病気をなおすこと。療治。治療。②医学的知識をもとに、福祉分野とも関係しつつ、病気の治療・予防あるいは健康増進をめざす社会的活動の総体。」と、②が加えられている。そのあとに「医療過誤」「医療技術短期大学」だ。
 医療とは何か。広辞苑の解釈はこのように変わった。第七版の記述は、高齢者向け医療が念頭にあるのだろう。「福祉分野とも関係しつつ」「社会的活動の総体」を加えたこの筆者は見事だと思う。現代の医療、超高齢社会の医療をきちんと理解し、新しい概念を反映している。
■かかりつけ医を法制度に明文化する動き
 厚生労働省の社会保障審議会医療部会が、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」について議論している。医療法を改正して明文化する方針という。
 この制度の骨格案が昨年12月の部会に示された。肝は…

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第29回 かかりつけ「医」よりかかりつけ「医療機関」

 新田クリニックを初めて受診した外来患者さんに、「私のかかりつけ医になっていただけますか」と言われ、喜んで、と答えた。これまで都心の企業に勤め、会社近くのクリニックにかかっていたんだけど、定年退職したから、という。大都市のサラリーマンには…

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第28回 かかりつけ医・機能をめぐる議論が活発になっている

 日本医師会の医療政策会議は、かかりつけ医・かかりつけ医機能のあり方についてワーキンググループを作って議論している。私はそのメンバーの一人で、このほど第1次報告を公表した。
 新型コロナの流行は、日本の医療提供体制の問題点をいくつか明らかにしたが、かかりつけ医のあり方は…

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第27回 日本人のメンタリティと終末期

■65歳でステージ4の胃がん
 前回に続いて、患者の意思決定についてもう少し考えたい。今回紹介するのは65歳の男性で、今年6月下旬、病院に紹介されて新田クリニックを初診された。病名は胃がん、ステージ4であった。
 2月初めに病院を受診し、この月の中旬から外来で抗がん剤による治療が開始された。3月、担当医が交替して…

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第26回 意思決定とパターナリズム

■86歳の初診患者が外来に
 5月、初診患者が新田クリニック外来に来られた。86歳男性で、頭頸部がんが見つかったという。すでに都内の大学病院の口腔外科と腫瘍科にかかっていて、これから治療法が決まると話す。
 そうですか、と話を聞いていると…

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