第2回 新政権の誕生と社会保障(下)

2020年 10月 15日

■コロナの影響をどう見込むのか
 例えば、医療費への影響をどう見込むかの問題がある。
 厚生労働省から公表されている医療費の統計は2020年3月分までであるが、この月の医療費は対前年同月比1.2%のマイナスとなっている。2019年度の医療費の伸びは2.4%であり、この3月の落ち込みは新型コロナウイルス感染症の影響である。支払基金と国保連の医療費とレセプト件数の動向をみると4月、5月とさらに悪化している。5月がボトムであり、件数で約2割減、点数で1割強の減となっている(対前年同月比)。6月は4月よりは持ち直しているが、7月以降の動向は現段階では不明である。
 2020年度を通じての医療費がどうなるか、さらに……
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第19回 厚生労働省図書館にて

 2023年最初の原稿なのでまずは、ご挨拶から。年末年始、どのようにお過ごしでしたか。よい年明けを迎えられたでしょうか。
 私は、年末年始を京都で過ごしました。私たち夫婦には3人の子(長女、長男、次女)がおり、次女夫婦が京都に住んでいます。長男夫婦は現在大阪におり、昨年、両夫婦に第一子が誕生しました。
 そこで、東京にいる私たち夫婦と長女夫婦(小学1年生の息子がいる)が京都に行き、お正月に京都で「一族集合」となりました。初めて京都で迎えるお正月でしたが、いつもは混雑する観光スポットも年末は空いており、なかなか良いものでした。

 1月4日、岸田首相は「異次元の少子化対策」を打ち出しました。年末に政府がまとめた来年度予算案では防衛費が大幅に伸びました。その財源をどうするか、増税するか否かが焦点となりましたが、一応増税ということで決着しました。
 首相が増税にこだわった結果ですが、今国会には増税法案を提出しないという妥協の上です。自民党内の政争の火種になるという見方も強いようです。
 首相は昨年4月に「将来的な子ども予算倍増」を約束していました。しかし、昨年10月の国会答弁で、子ども・子育てについては今年の骨太方針で取りまとめると、早々に先送りをしました。
 年明け早々の「異次元の少子化対策」発言は、「防衛費だけ突出」という批判をかわす狙いがあるのだと思います。
 首相の指示で、少子化政策担当大臣の下に設置された関係府省会議で3月中に少子化対策の内容を固めるとしています。肝心の財源問題は、統一地方選挙前の議論を避け、例年6月に決定する骨太方針までは明らかにしないのではないでしょうか。
 1月19日の関係府省会議の初会合では、①児童手当などの経済支援…

第18回 回復しない所得と貧困・格差問題―日本の課題―(下)

3 貧困・格差の問題
 以上のような状況の下で、日本は不平等社会になっているのだろうか。1990年代以降、経済の低迷が続く中で貧困・格差の問題が取り上げられるようになり、2006年1月には「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」でも「経済的格差の動向」が議論されるようになった。
 厚生労働省では、3年に1度、所得再分配調査を実施し、ジニ係数…

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第17回 増大する社会保障費をどう賄うのか(3)

Ⅴ 給付と負担をめぐって
 「増大する社会保障費をどう賄うか」という問いに対し、これまでどのような議論が行われてきたのであろうか。
 前回で紹介した橋本内閣の財政構造改革が挫折した後に登場した小渕内閣において…

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