厚生労働省が6月4日に発表した人口動態調査によると、2020年の出生数は84万832人で前年に比べ2万4407人(2.8%)減少し、過去最少となった。
出生数は1949年の269万6638 人をピークに、75年以降は減少と増加を繰り返しながら減少傾向が続いている。2015年は5年ぶりに増加したが、16年から再び減少している。
母親の年齢を5歳刻みに見た場合、45歳以上は前年に比べ増加したものの、44歳以下はすべて減少。第1子出生時の母親の平均年齢は上昇傾向にあったが、15年以降は30.7歳で横ばいになっている。
1人の女性が一生の間に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、20年は1.34で前年の1.36から低下した。06年から上昇傾向にあったが、14年に低下し、15年に再び上昇した後、16年以降は低下している。
都道府県別では、最も高いのは沖縄県(1.86)で、次いで島根県(1.69)、宮崎県(1.68)の順。一方、最も低いのは東京都(1.13)で、以下、北海道(1.21)、宮城県(同)の順だった。
20年の死亡者数は137万2648人で、新型コロナウイルスの感染が拡大したにも関わらず、前年より8445人(0.6%)減少した。マスクや手洗いなどの感染防止に努めたことが、要因として考えられる。
死因の1位はがんで37万8356 人(全死亡者に占める割合は27.6%)、2位は心臓病で20万5518人(15.0%)、3位は老衰で13万2435人(9.6%)、4位は脳卒中で10万2956人(7.5%)、5位は肺炎で7万8445人(5.7%)。順位は前年と同じだった。
出生数と死亡数の差である自然増減数はマイナス53万1816人で、前年との比較では1万5962人減った。自然増減数が増加した都道府県は沖縄県だけで、プラス2553人だった。
婚姻数は52万5790組で前年から7万3517組減少。平均初婚年齢は夫31.0歳、妻は29.4歳でいずれも前年より0.2歳低下した。離婚数は19万3251組で、前年に比べ1万5245組減少している。